03 2023

雪積もる卯辰山山麓寺院群の古い町並み/金沢らしさが感じられる冬の散歩道

新年あけましておめでとうございます。
2023年も当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。


さて年明け早々に昨年の冬の写真で申し訳ないですw
1年も前の話だからお蔵入りにすることも考えたんですが、この記事の写真を見れば分かる通り、悪天候の中自分なりに頑張って撮ったんですよ。だから、昨年の冬こそ書きそびれたけれども、「次の冬が来たらアップしよう」と1年間PCの中で温めておいたんです。凍えるほど冷たい写真たちですが(笑)。

冬に北陸・金沢に観光に来る人たちは、きっと雪景色にも少なからず期待していると思います。僕も地元民ではありますが、雪景色は嫌いじゃないし、雪が積もればカメラ片手に出かけたくなるのが本音です。「冬の金沢らしさ」を味わうため、雪が積もった卯辰山山麓寺院群を写真に収めてきました。

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撮影は2月下旬です。
気温は日中でも0度台。春の訪れを目前に控えた時期にしてはかなり厳しい寒さで、しかも撮影中にドカドカと容赦なく雪が降りしきる最悪な天気でしたが、「金沢の町並みの雪景色を撮る」という目的はまぁこれはこれで達成ができたのかな~なんて思いました。
金沢の冬の良さというよりも、どちらかというと冬の厳しさを伝える写真になりましたが(^^;。

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ってなワケで2023年のスタートは、城下町金沢の雪景色を2回に渡ってお伝えしたいと思います。まず最初は卯辰山山麓寺院群、そしてその次はひがし茶屋街。ともに金沢らしさの残る古い町並みで、金沢にお越しになった際に是非とも両方歩いてほしい町。もちろん雪も似合いますよ。


夏の様子はこちらから。
城下町金沢「卯辰山麓寺院群」を歩く!/ありのままの金沢を愉しむ通好みのスポット!

城下町金沢「卯辰山麓寺院群」を歩く!/ありのままの金沢を愉しむ通好みのスポット!

金沢市の市街地のすぐそばにある小高い丘は「卯辰山」と呼ばれています。金沢城から見て東(昔は卯辰と呼んだ)の方角にあるのでこの名前が付いたそうで、春は桜の名所として知られているし、兼六園やひがし茶屋街などの観光名所からよく見える山なので、金沢に来た人ならきっと目にしている山なのではないでしょうか。その卯辰山の麓には、車が通れないような昔ながらの細い路地が張り巡らされ、37ものお寺が密集している、ちょっ...




2022年02月23日 石川県金沢市 卯辰山麓重要伝統的建造物群保存地区


2022年の冬は、記憶に残るほどのドカ雪が降ったワケではありませんが、期間を通してそこそこ寒くて、そこそこ満遍なく雪が降ったシーズンでした。
積雪が10cmを超えるまとまった雪になったのは、クリスマス頃、年末年始、成人の日頃、大寒頃、立春頃、そして2月下旬と1シーズン中6回におよび、良く言えば冬らしい冬、悪く言えばダラダラと雪が降り続いた冬と言えたかな。そして冬ももう終わろうとしている2月22日に、シーズン最深積雪37cm(気象台の観測)を観測したのはちょっと驚きでもありました。その最深積雪を記録した次の日に、久しぶりに卯辰山山麓寺院群を歩きました。

まずは妙国寺山門ですが、見てください、屋根の雪が今にも落ちそう!!
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この日は前日に積もった雪が少しずつ溶けようとしていました。屋根の上にこんもり積もった雪は自らの重みでズルズルと滑り落ちようとしていて、頭上注意な状況でした。直撃を食らうのは御免なので、門をくぐる際は慎重に・・・。
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卯辰山山麓寺院群は金沢に3つある寺院群のひとつ(他の二つは寺町寺院群と小立野寺院群)。国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に指定されていて、およそ50にも及ぶ神社仏閣がひしめき合い、今も藩政期の景観が保たれているスポットです。ちなみにすぐお隣に有名なひがし茶屋街(重伝建)があるのですが、これとは別の重伝建地区として指定されています。
もともと金沢は一向宗の勢力がとても強かった土地で、一揆など起こさぬよう常に見張っておく必要があったため、加賀藩主が一向宗以外の宗派の寺を3箇所に集めて一向宗の動きを監視させたのが金沢三寺院群の始まりとされています。いずれも金沢市内で有数の「金沢らしさ」の残るエリアになっていますが、卯辰山麓は観光地化がそれほど進んでいるわけではなく、いつも静かで落ち着いた雰囲気なのがGoodなんですよね。
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卯辰山山麓寺院群は面的な広がりが結構ありますが、太くまっすぐ延びる道は皆無。歩いてみると、道が迷路みたいにくねくねと曲がりくねっていたり、途中で行き止まりになっていたりで、ちょっとした迷宮に入りこんだかのようです。まるで現代らしくない佇まいですが、それが「金沢らしさ」であるとも言えます。
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「金剛閣」の大きな扁額が目立つ山門を有する全性寺。門が開いていて中に入ることができます。
付近は割とオープンなお寺が多くて、門が開いていれば基本的にお庭など境内を無料で拝観できます(一部有料のところもあるそうです)。ただし建物の中を観る時は事前にお寺に相談するのが良いと思います。
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全性寺の境内の様子。
当然ながら夏に来た時はもっと葉が茂る青々としたお庭でしたが、冬は白と黒のモノトーンに様変わりしています。雪がなかったらもう少し寂しい感じだったかもしれません。雪景色さまさまです。
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本光寺は山門に至るなだらかな石段のアプローチが印象的。
卯辰山「山麓」寺院群なので、本光寺のように高台に境内を構えるお寺も少なくありません。何百段もあるようなスパルタな石段はないけれど、積雪している時は上り下りにそれなりの気合いと覚悟が必要です。
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参道に咲く梅の花、紅一点です。
そう言えばあと数日もすれば3月で、梅の花が咲いても全然不思議ではない時期なんですが、雪の降り方が真冬のそれ。梅も雪を被って少し寒そうかな(^^;。
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石段を上って本光寺の境内に入りました。2000坪の広い敷地に、立派な御本堂が建ちます。
ところで御本堂もいいのですが、ちょっと降り方がえげつなくないですか?(笑)
写真撮ってる場合じゃなくて、早く家に帰って雪かきせにゃならんかも(焦)。
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めちゃめちゃ降ってきたじゃないですか。近くの山も強雪で霞んで見えない。
これはワクワクすっぞ大変だぞ、また短時間で積もりそうだ。
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一旦高台から降りて再び山麓の町を歩きました。手に傘を持って歩いているのですが、傘にみるみる雪が積もってすぐに重くなるほどです。こんな日にカメラを持って歩いているモノ好きな人間は、僕以外に誰一人いません。
当たり前やっちゅーに(笑)。
でも、こういうシーン、僕は嫌いじゃない。(←モノ好き)
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雪かきお疲れ様です!
いや、ホント申し訳ない!こんな日にカメラ持って観光なんかしちゃったりして・・・ちょっと邪魔っすよねぇ。でも僕だって同じ金沢市民だし、もうちょっと散歩したらちゃんと自分の家に帰って雪かきするんだから、みんなと一緒なんで、白い目で見ないでね。お願いします!
・・・なんて、小心者にも程がある(笑)。
でも、ちゃんと雪かきしてくれるおかげで雪が積もる季節でも町歩きができるんです。地元の方々には頭が下がりますよね。
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先にも書きましたが、この付近は細く入り組んだ路地だらけです。車も入れないような路地がフツーにありますので除雪車は入れず融雪装置もなく、除雪は人力に頼るしかなさそう。
でも、これほど雪が積もっているのにも関わらず、不思議なことに雪に埋もれて歩けない道はほとんどありませんでした。
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卯辰山山麓寺院群のほぼ中心に位置する西養寺は、立派な石段が目印です。
雪が積もっているものの、歩けないくらいじゃなさそう。上ってみますか。
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本来ならこの階段から金沢の古い町並みやビル群が見下ろせて、なかなかの眺望なのですが・・・
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(2019年08月03日撮影)


当然ながら全然ダメですね。すぐ近くも見えない状況。
こんな日は眺望なんて無理に決まってます。
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でも、雪景色ならではの良さがあるのも確か。
西養寺は、こぢんまりとしたお寺が多いこの寺院群の中では比較的大きなお寺だと思います。お庭も建物も立派で、雪景色が似合います。歴史的価値も高くて、本堂は1783年、鐘楼は1851年の建立で、ともに金沢市の文化財に指定されているんだとか。また他のお寺よりも眺望が良い地に立つという点でも、格式の高さを表しているみたいです。
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そういえば、前回(2019年の夏に)このお寺に来た時は修繕中だったのか足場が組まれていた御本堂ですが、工事はすでに終わっているみたいで、元の姿を見せてくれました。雪に煙ってはいましたが、それでも威厳を感じる造りです。
もう少し御本堂に近づきたかったのですが、雪が深くてこれ以上先に行くことは難しそうでした。また次の機会にしよう。
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さらに蓮昌寺慈雲寺といったお寺が連なります。
蓮昌寺は金沢三大仏(初めて聞いた!)の一つが安置されているほか、小説家泉鏡花の最後の作品の舞台として知られています。
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慈雲寺は山梨県にも同じ名前のお寺があるようです。あちらの慈雲寺は桜がたいそう綺麗なんだそうです。こちらの慈雲寺は少し地味かもしれませんが、まるで花が咲いたように枝に雪を纏った樹木とのコラボは、山梨のお寺にも引けを取らないと思います。たぶん。
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卯辰山山麓寺院群で最後に立ち寄ったのは来教寺です。
夏に来たときは鮮やかな百日紅のピンクがどこよりも目立っていたお寺ですが、さすがに冬は他のお寺と同じくモノトーンです。雪が積もってるもん、当たり前ですね。
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境内は独特な雰囲気。とにかく「いろいろある」感が満載で、内容がとても濃いお寺であることはすごく伝わってきました。
「観相御籤」(にんそうおみくじ)という看板がありましたが、来教寺は占いの寺として知られていて、人生相談のためにやって来る人も多いんだとか。僕も一度占ってもらったほうがいいのかな、とふと思う日々です(苦笑)。
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そんなワケで、卯辰山山麓寺院群を1時間ほどかけて歩き回りました。
今回写真を撮ったお寺以外にもまだまだ多くのお寺がこの地にはあります。景観はもちろんですが、お寺一つ一つにエピソードがあるので、それらを学びながら回るのも楽しいと思います。
この寺院群は金沢を代表する観光地、「ひがし茶屋街」のすぐ近くに位置するので、茶屋街を訪ねた際にもう少し足を伸ばして散策することをオススメしたいです!冬は多少足元悪いですが、今回みたいにドカドカと降ってさえいなければ、雪が積もった寺院群も金沢ならではの風情がより感じられて、良いと思いますね~。
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<卯辰山山麓寺院群>
【駐車場】あり(有料 コインパーキング使用)
【入場料とか】無料
【所要時間】1時間

【地図】


【リンク】
金沢三寺院巡りコース紹介(金沢市公式観光サイト内)
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