そんな中ですが、今年の晩秋に訪ねた紅葉スポットをもう一か所だけお伝えしたい。
今回もお寺の紅葉なんですが、コラボするのは立派なお堂や五重塔ではなく、石像です!

長慶寺の五百羅漢、と言えば、富山の方なら「あぁ、あの場所ね」って思うかもしれないけど、僕自身、お隣の県に住んでいながらこんないい雰囲気の紅葉名所が富山市にあったとは今まで知りませんでした!
紅葉を見るには時期的にほんの少し遅かったかもしれませんが、穏やかな表情をされた羅漢像に陽が差し込み、温かみのある雰囲気を味わうことができました。

ってなワケで、今回の記事は2022年の紅葉記事の最後となる、富山の長慶寺五百羅漢です。
今年はもう紅葉が終わっていますので、来年の参考にしていただければ。ご是非覧ください(^^)。
2022年11月25日 富山県富山市 法羅陀山長慶寺
スカっと晴れた空の下、今年の紅葉狩りのラストの地に選んだのは富山市呉羽山の中腹にある長慶寺さんという曹洞宗のお寺です。創建は1786年と言われているので240年ほどの歴史のあるお寺。
このお寺には五百羅漢の石像が並んでいて、晩秋は石像の頭上の紅葉が美しく、五百羅漢像と紅葉のコラボが楽しめるということで富山市の紅葉名所の一つになっています。これまであまり名前を聞いたことがないスポットなんだけど、富山県ではそこそこ名の知れたところなのかな?

僕の場合は「五百羅漢って何?」ってところから始まるんですが、五百羅漢とはザックリと言えばお釈迦様(仏陀)が亡くなった後に仏の教えを広めようとした500人のお弟子さんで、厳しい修行で悟りを開いた非常に尊い存在なんだそうです。だから石像も500人分は少なくともあるわけで、それらが並んでいると結構壮観です。ちなみにこの長慶寺には530体以上の羅漢像があると言われています。
その昔、北前船で財を成した富山のお金持ちの商人が、佐渡島の石工さんに五百羅漢の石像を彫らせて、船でこの富山の地に運んだそうで、すべての石像を運び終わるまでにかかった歳月はなんと50年。人生をほぼほぼ五百羅漢像の設置に費やすなんて、とんでもない執念を感じますよね。

(上の看板に描かれた五百羅漢は127体しかありませんが、実際はもっと多い!)
せっかくだから本堂も拝もうかと思ったのですが、残念ながら大きなクレーンを使って何やら作業をしていて近づけそうになかったので断念しました(^^;。また別の機会に・・・。

それにしてもこの長慶寺、境内からの眺めが素晴らしいです!
呉羽山と言えば富山市と立山連峰の展望スポットとして有名ですが、このお寺も呉羽山の中腹にあるので同じような眺望が得られます。紅葉の時期は、紅いモミジの向こうに青い空と白い雪を被った立山連峰。そして富山市街の近代的なビル群が。富山駅を発着する北陸新幹線も一緒に収められます。
この日は特に空気が澄んでいて、山岳風景は最高なものでした。この景色を拝むことができただけでも大収穫って感じ。


そんな眺めのいい地に立山連峰に向かって鎮座する五百羅漢、そして紅葉。
頭上のモミジはすでに7割ほどが散ってしまっていたけど、それでも葉っぱがないよりは随分華やか。なかなか圧巻の景色でした!

五百羅漢を最上段から見下ろしてみました。
これだけ多くの石像がズラリと並んでいるのは見応えがありますし、散ったモミジが五百羅漢の足元を紅く染めているのがいかにも晩秋の季節感溢れていてフォトジェニックだと思いました。
こういう石像が並んでいるシーンって、ちょっと薄暗い場所のイメージを僕は勝手に持っているんですが、ここは違いましたね。葉が落ちる前はおそらくここまで日当たりが良くなかったんではなかろうかと思うけど、今は枝葉の隙間が増えて石像にも十分に光が降り注いでいます。光の具合も色合いもなんだか暖かみがあって、絵に描いたような小春日和って感じです。


各段には通路が設けてあるので、その気になれば全ての像をあまねく見て回ることができそう。
五百羅漢像の一体一体に赤・青・黄・緑の襷のようなものがかけられているので、まるで運動会みたいなカラフル感もあります。あまり詳しくは見ていませんが、この襷のようなものには願い事やお名前が書かれていました。


羅漢像の間に挟まれて石灯籠が建っていますが、灯篭の頭の部分しかないものもありました。
どうしちゃったのかな?長い年月のうちに壊れてしまった?



まるで巨大なひな人形のようですね。
並んでいるのは全てオジサンですけど(笑)。

色とりどりの秋の木々と青空を見上げて。


ここにある五百羅漢増は、古いものだと造られてから200数十年ほど経っています。その間野ざらし・雨ざらしですから、風化でお顔が結構変わっていたり(^^;。でも、なんとなく表情は分かる気がします。これ、やっぱり全部違う表情なのかな?
五百体以上を少しずつ運んだでしょうから、きっと作った人は全ての顔を並べて見比べたわけではないと思う。これだけ大量に生産したなら、ひょっとすると同じ顔のものもあるかもしれません。ただ、コレとアレが同じ顔だ~なんて、たぶん誰も分からないと思いますし、分かったところで、「で?」ってなりそう。
全ての石像のお顔を写真に撮って一枚のパネルにしたら、ものすごいことになるでしょうね。誰かチャレンジする人いませんか?w


目鼻立ちがなくなってきていますが、でもなんとなく分かるのは、とても穏やかな表情だってこと。きっと微笑んでいるんだろうなと思わせるものも多くありました。
「羅漢」という字面とか、厳しい修行で悟りを開いた人たちというエピソードから、もっと険しそうな顔をしているのかと思っていましたが、そうではないんですね。全く怖くもない。
ただ、小さな子がこれを見るとそれなりのインパクトとして目に焼き付くかも!?


ってなワケで、晩秋の長慶寺五百羅漢でした。
この地は富山のローカルCMのロケ地に採り上げられたり、また紅葉が見頃を迎えるとローカルニュースで紹介されるのが風物詩になってたりするそうですよ。
春は桜や新緑、冬は雪景色が綺麗でしょうね。秋だけでなくいろんな季節に訪ねてみたいスポットです。

<法羅陀山長慶寺の五百羅漢>
【駐車場】あり(無料)
【入場料とか】無料
【所要時間】40分
【地図】
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