11月も下旬に入り街の木々が少しずつ散り始める中、ふと思い立って朝に金沢市の小立野台地上にある天徳院の紅葉を見てきました。
天徳院は加賀藩主前田家ゆかりの寺院であり、また金沢の穴場紅葉スポットとしても知られています。僕はこれまで何度かこのお寺に足を運んだことがあるんですが、紅葉の時期は初めてでした。
天徳院の紅葉を初めて見た率直な感想ですが、予想以上に良かったです!
何で今までここの紅葉を見ずに過ごしてきたんだろう。。。と思ったくらいです。

このお寺には2つの庭園があります。今回はそのうち「前庭」という片方の庭のみを散策しました。兼六園みたいな広大な庭園ではないけれど、この前庭の紅葉だけでも十分満足なレベルだと思います。
散り始めだったので足元も鮮やか。
今にも降り出しそうな曇り空の下でしたが、その空の暗さを吹き飛ばすほどの彩りに満ちた寺院にため息がこぼれましたね。

紅葉はピークを過ぎていたものの、散り際の美しさがありました。

ってなワケで、今回の記事は地元金沢の紅葉スポット、天徳院の様子をお伝えします。
自分でも意外に思ったんですが、金沢市内の紅葉を記事にしたのは3年ぶり!住んでる街なのに(笑)。
こんなにもいい紅葉スポットがまだ金沢にはあったんだなぁって感心しました。「灯台下暗し」とはまさにこのことなのかも。
天徳院は、金沢市の兼六園・小立野口からまっすぐ伸びる通り(石引通り)を約1.5kmほど進んだ先にあります。兼六園から車なら約5分、徒歩なら約20分ですが、中心市街地の観光ルートから少し離れているので、観光シーズンであっても比較的静けさが保たれ、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
創建は今から400年ほど前の1623年。その後の1693年に整備された伽藍は、残念なことに1768年に山門を残して焼失してしまいました。

ここは珠姫の菩提寺です。
珠姫というのは、前田家3代目の前田利常の正室です。珠姫のエピソードについてはここでは詳細を述べませんが、将軍徳川家から前田家にお嫁さんとして差し出された言わば人質であり、徳川家と前田家の間に入って「前田家、そして加賀藩を救った女性」とされています。とにかく金沢市民からこよなく愛されている女性であり、そんな立派な人物の菩提寺なのでお寺も相当立派なものです。

う~ん、山門が立派だ!めちゃくちゃ重厚感ある!
1693年に建てられた当時のままの姿が残っているそうですよ。この山門を見るためだけでも、天徳院を訪れる価値はあると思います!
山門の前のモミジは散り際を迎えていて足元も染めています。黒い山門に華やかな晩秋カラーを添えていました。そして山門の向こう側にある赤やオレンジの木々がチラリと見えています。期待が高まる!

今は黒い瓦が使われていますが、かつては金沢城なんかにも用いられている鉛瓦だったそうです。
もし今も鉛瓦だったなら、この屋根が銀色になるわけでしょ?今とはずいぶんと違って見えたんじゃないかな。

山門の香炉とその奥に見える紅葉。
門をくぐって境内に入ります!

山門をくぐると「前庭」という庭園があります。山門や本堂、鎮守堂、それらを繋ぐ渡り廊下により、グルっと四角く取り囲まれていて、何でも100年前からほぼその姿が変わっていないということです。100年変わらないって、なかなかできることじゃないですよ。改めてこのお寺の凄さを実感。
お庭の紅葉がとても綺麗で、特に門からしばらく進んでクルっと振り返った時の、紅葉と山門のコラボレーションが見事でした。


普通モミジは見上げるものですが、ここのモミジは目線からとても近いところまで枝を伸ばしていて愛でやすいのが特徴。
中には「見下ろす」ことができる木もあったり。


山門の脇で彩りを添えるモミジ。
こちらは結構散っている様子ですね。だいぶ葉っぱが少なくなってしまってますが、そのおかげでバックの山門がよく見えて、僕的にはこれはこれでアリだなぁと(^^)。

山門をくぐって真正面にドンと建っているのは、このお寺の本堂です。とにかく屋根がデカい!一体何枚の瓦を使っているんだろう・・・。
受付で拝観料を払えば本堂の中に入れるのですが、今回は拝観受付が始まる午前9時よりも前の訪問だったため本堂には入りませんでした。その代わりお庭だけなら拝観料は必要ありません。
本堂の中には珠姫の生涯を演じるからくり人形があり、決まった時間に上演されるみたいです。今度また時間がある時にでもゆっくり訪ねてみようと思います。


本堂の脇にもモミジの木がありました。
こちらは紅く色づいていて、散り際のモミジが多い中でまだまだ見頃って感じでした。


本堂前の石灯籠もモミジに彩られていました。
上からモミジの紅と黄、そして灯篭の苔の緑。何とも色彩豊か。

山門をくぐって左手にドンと建っているのが鎮守堂です。
正面には天狗のお面が掛けられていてちょっと不気味にも見えますが・・・前に植えられたモミジが紅・橙・黄に染まっていて、大きな見所の一つにもなっていました。


鎮守堂前のモミジが特に良かったです。
目の前まで枝が伸びていて、秋色に染まった葉を手に取ることができます。長く伸びたモミジの枝がシックなお堂を彩るシーンがとても印象的でした。


そのほか、境内の前庭の様子です。
特に目玉となる建物がなくても、どこもかしこも絵になる、そんな感じでした。それは、お庭が荒れないように日頃からちゃんと綺麗に整えられているからこそなんだと思います。



紅葉は、眺める時期や天気、時間帯によってかなり表情が変わりますよね。例えば今回の天徳院も、ピークの時に訪れればもっと華々しい紅葉シーンを楽しめたと思います。天気が良ければもう少しパリっとした色あいが見られたかもしれません。
この日は見頃を過ぎてかつ曇天でしたが、だからこそ足元が彩られ、また暗めの風景とのコントラストが楽しめたんだと思います。



お堂を繋ぐ渡り廊下から。
暗い廊下にはいくつも四角い窓があり、そこから外の様子を見ると、まるで壁にかけた絵画のように見えなくもありません。

ってなワケで、城下町金沢の紅葉スポット、天徳院でした。
「穴場」と言われていますが、金沢でも指折りの紅葉名所と言っても過言じゃないと思うし、その実力は第一級かそれ以上だと思いました。金沢に紅葉を愛でに来たなら、兼六園からもう少し足を延ばして天徳院を訪ねてみるのは全然アリだと思いましたね~。
このお寺、雪が降った後の純白の姿もきっとお美しいんじゃないでしょうか。今年の冬、金沢で一番行ってみたい雪見のスポットです。
こちらも金沢の寺院、穴場の紅葉スポット

<曹洞宗金龍山天徳院>
【駐車場】あり(無料)
【入場料とか】500円
【所要時間】40分
【地図】
【リンク】
珠姫の寺 天徳院
天徳院は加賀藩主前田家ゆかりの寺院であり、また金沢の穴場紅葉スポットとしても知られています。僕はこれまで何度かこのお寺に足を運んだことがあるんですが、紅葉の時期は初めてでした。
天徳院の紅葉を初めて見た率直な感想ですが、予想以上に良かったです!
何で今までここの紅葉を見ずに過ごしてきたんだろう。。。と思ったくらいです。

このお寺には2つの庭園があります。今回はそのうち「前庭」という片方の庭のみを散策しました。兼六園みたいな広大な庭園ではないけれど、この前庭の紅葉だけでも十分満足なレベルだと思います。
散り始めだったので足元も鮮やか。
今にも降り出しそうな曇り空の下でしたが、その空の暗さを吹き飛ばすほどの彩りに満ちた寺院にため息がこぼれましたね。

紅葉はピークを過ぎていたものの、散り際の美しさがありました。

ってなワケで、今回の記事は地元金沢の紅葉スポット、天徳院の様子をお伝えします。
自分でも意外に思ったんですが、金沢市内の紅葉を記事にしたのは3年ぶり!住んでる街なのに(笑)。
こんなにもいい紅葉スポットがまだ金沢にはあったんだなぁって感心しました。「灯台下暗し」とはまさにこのことなのかも。
2022年11月23日 石川県金沢市 金龍山天徳院
天徳院は、金沢市の兼六園・小立野口からまっすぐ伸びる通り(石引通り)を約1.5kmほど進んだ先にあります。兼六園から車なら約5分、徒歩なら約20分ですが、中心市街地の観光ルートから少し離れているので、観光シーズンであっても比較的静けさが保たれ、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
創建は今から400年ほど前の1623年。その後の1693年に整備された伽藍は、残念なことに1768年に山門を残して焼失してしまいました。

ここは珠姫の菩提寺です。
珠姫というのは、前田家3代目の前田利常の正室です。珠姫のエピソードについてはここでは詳細を述べませんが、将軍徳川家から前田家にお嫁さんとして差し出された言わば人質であり、徳川家と前田家の間に入って「前田家、そして加賀藩を救った女性」とされています。とにかく金沢市民からこよなく愛されている女性であり、そんな立派な人物の菩提寺なのでお寺も相当立派なものです。

う~ん、山門が立派だ!めちゃくちゃ重厚感ある!
1693年に建てられた当時のままの姿が残っているそうですよ。この山門を見るためだけでも、天徳院を訪れる価値はあると思います!
山門の前のモミジは散り際を迎えていて足元も染めています。黒い山門に華やかな晩秋カラーを添えていました。そして山門の向こう側にある赤やオレンジの木々がチラリと見えています。期待が高まる!

今は黒い瓦が使われていますが、かつては金沢城なんかにも用いられている鉛瓦だったそうです。
もし今も鉛瓦だったなら、この屋根が銀色になるわけでしょ?今とはずいぶんと違って見えたんじゃないかな。

山門の香炉とその奥に見える紅葉。
門をくぐって境内に入ります!

山門をくぐると「前庭」という庭園があります。山門や本堂、鎮守堂、それらを繋ぐ渡り廊下により、グルっと四角く取り囲まれていて、何でも100年前からほぼその姿が変わっていないということです。100年変わらないって、なかなかできることじゃないですよ。改めてこのお寺の凄さを実感。
お庭の紅葉がとても綺麗で、特に門からしばらく進んでクルっと振り返った時の、紅葉と山門のコラボレーションが見事でした。


普通モミジは見上げるものですが、ここのモミジは目線からとても近いところまで枝を伸ばしていて愛でやすいのが特徴。
中には「見下ろす」ことができる木もあったり。


山門の脇で彩りを添えるモミジ。
こちらは結構散っている様子ですね。だいぶ葉っぱが少なくなってしまってますが、そのおかげでバックの山門がよく見えて、僕的にはこれはこれでアリだなぁと(^^)。

山門をくぐって真正面にドンと建っているのは、このお寺の本堂です。とにかく屋根がデカい!一体何枚の瓦を使っているんだろう・・・。
受付で拝観料を払えば本堂の中に入れるのですが、今回は拝観受付が始まる午前9時よりも前の訪問だったため本堂には入りませんでした。その代わりお庭だけなら拝観料は必要ありません。
本堂の中には珠姫の生涯を演じるからくり人形があり、決まった時間に上演されるみたいです。今度また時間がある時にでもゆっくり訪ねてみようと思います。


本堂の脇にもモミジの木がありました。
こちらは紅く色づいていて、散り際のモミジが多い中でまだまだ見頃って感じでした。


本堂前の石灯籠もモミジに彩られていました。
上からモミジの紅と黄、そして灯篭の苔の緑。何とも色彩豊か。

山門をくぐって左手にドンと建っているのが鎮守堂です。
正面には天狗のお面が掛けられていてちょっと不気味にも見えますが・・・前に植えられたモミジが紅・橙・黄に染まっていて、大きな見所の一つにもなっていました。


鎮守堂前のモミジが特に良かったです。
目の前まで枝が伸びていて、秋色に染まった葉を手に取ることができます。長く伸びたモミジの枝がシックなお堂を彩るシーンがとても印象的でした。


そのほか、境内の前庭の様子です。
特に目玉となる建物がなくても、どこもかしこも絵になる、そんな感じでした。それは、お庭が荒れないように日頃からちゃんと綺麗に整えられているからこそなんだと思います。



紅葉は、眺める時期や天気、時間帯によってかなり表情が変わりますよね。例えば今回の天徳院も、ピークの時に訪れればもっと華々しい紅葉シーンを楽しめたと思います。天気が良ければもう少しパリっとした色あいが見られたかもしれません。
この日は見頃を過ぎてかつ曇天でしたが、だからこそ足元が彩られ、また暗めの風景とのコントラストが楽しめたんだと思います。



お堂を繋ぐ渡り廊下から。
暗い廊下にはいくつも四角い窓があり、そこから外の様子を見ると、まるで壁にかけた絵画のように見えなくもありません。

ってなワケで、城下町金沢の紅葉スポット、天徳院でした。
「穴場」と言われていますが、金沢でも指折りの紅葉名所と言っても過言じゃないと思うし、その実力は第一級かそれ以上だと思いました。金沢に紅葉を愛でに来たなら、兼六園からもう少し足を延ばして天徳院を訪ねてみるのは全然アリだと思いましたね~。
このお寺、雪が降った後の純白の姿もきっとお美しいんじゃないでしょうか。今年の冬、金沢で一番行ってみたい雪見のスポットです。
こちらも金沢の寺院、穴場の紅葉スポット

金沢・大乗寺の紅葉/師走だけどまだ秋の気配漂う、金沢の穴場的紅葉スポット
金沢市の野田山の麓にある名刹、大乗寺。当ブログでも何度か紹介しているお寺ですが、今回は紅葉の時期に訪ねてみました。かつて大乗寺を訪ねた時は青々としたカエデの緑が非常に印象的で、きっと秋の紅葉も綺麗だろうなぁ、いつか撮りに来ようと思っていたのですが、2019年になってようやく晩秋の大乗寺を訪ねることができました。自宅から車で15分ほどで行ける場所なんですけどねぇ・・・近すぎると逆になかなか足を運ばないもの...
<曹洞宗金龍山天徳院>
【駐車場】あり(無料)
【入場料とか】500円
【所要時間】40分
【地図】
【リンク】
珠姫の寺 天徳院
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