この時期になると紅葉はだいたい標高500~1000mくらいまで下りてくるので、ちょうど信州あたりが一番の紅葉の見頃時期を迎えます。そんな信州へ日帰りで紅葉ドライブに向かったのですが、今回行き先に選んだのは安曇野エリアにある有名な「一本樹」の紅葉、大峰高原の七色大カエデです。
紅葉の時期になると、葉っぱの色が緑、黄、橙、赤へと移り変わっていき、まさに七色を身に纏ったカエデになるということで、写真愛好家の間ではとても有名なシャッタースポット。僕も今回ようやくこの樹を直に目にすることができました(^^)。

それからもう一つ。
七色大カエデのある池田町には立派なイチョウの木のあるお寺があって、そこもまさに黄葉真っ盛りでした!
北アルプスをバックに黄色に染まったイチョウの巨木。そんな晩秋の信州らしい光景にも出会えましたよ!

普段紅葉を楽しむとなると、山肌を染める無数の樹木や、何本ものカエデが織りなす庭園美などがターゲットになりますが、こうした「一本の巨木」の紅葉もなかなか見応えがあっていいものだと思いました。
ってなワケで、今回の記事は信州を代表する紅葉スポット、七色大カエデと長福寺の大イチョウをお伝えします!

2020年10月31日 長野県北安曇池田町 大峰高原
本当に気持ちのよい空が広がりました。空気が澄んでいて山がクッキリ!
道中、高速道路では立山連峰が非常に綺麗に見えていて、糸魚川からR148を南下すると今度は白馬の山々がこれまたクッキリ。
思わず車を道端に停めて、美しい信州の景色をしばし眺めました。標高の高いところではすでに雪が積もっています。心地よい晩秋の空気に満ちていましたが、山頂ではもう本格的な冬が始まっているんだなぁ。

今回訪ねた「大峰高原の七色大カエデ」は、その名の通り大峰高原というところにある一本のとても立派なカエデの木。随分前からその存在は知っていたのですが、今回が初訪問。楽しみです!
麓の大町や池田からグイグイと標高を上げていくと大峰高原となり、やがて大カエデに到着です。駐車場を心配していたのですが、大カエデのすぐそばに100台クラスの大駐車場があるので渋滞もなく、問題なく停められましたね~。

標高約1000mの大峰高原。
目玉は七色大カエデですが、キャンプ場があったり北アルプス展望台があったり、散策も楽しそうな高原です。
大カエデ以外にも、「中カエデ」とか「聖子ちゃんの木」(映画野菊の墓のロケ地)、「県下で一番最後まで楽しめるソメイヨシノ」など、木にまつわる見所もいくつかあるみたい。

駐車場で車を降りてほどなく、広場みたいなところの中心に「七色大カエデ」がありました!
すでに落葉が始まっているせいか、思っていたよりも「コンモリ感」が少なく感じましたが、それでもさすがは信州の紅葉名所!立派な樹です。
天気が良くて、カエデの背景には浅間山も見ることができました。

この七色大カエデは、樹齢およそ250年。戦後まもなく「大峰高原開拓団」によって発見され、開拓のため一度は切り倒されたそうですが、カエデの根っこがどうしても掘り起こせずそのまま放置。その後20年近く経ってからこの地に道路を作る際に、自力で立派に育ったこのカエデが再発見されたそうです。
本当に生命力溢れる大樹で、「奇跡のカエデ」とも言われています。今は観光地化していて多くの人が訪れるようになったため、根っこが踏み荒らされないように樹木から離れたところに柵があって、樹木に近づいたり触れたりすることは残念ながらできません。

少し落葉が進んじゃってるみたいですね(^^;。
もう数日から1週間ほど早ければ一番の見頃だったかもしれません。
でも真っ赤に色づいた姿は見事でした。




紅葉の時期を迎えると少しずつ色を変えていくその七変化の姿から「七色大カエデ」という名前がついたこの樹ですが、ある一つのタイミングをとってみても、葉っぱの染まり方は一様ではなくて「七色」が楽しめます。
赤、橙、黄、緑・・・葉っぱが表現できる全ての色がここにある気がします。




七色大カエデには直接触れることができませんが、そのすぐそばにこれまた綺麗に色づいた別の小振りなカエデの木があって、こちらは間近で紅葉狩りが楽しめました。
子どもたちには大カエデよりもこっちのほうが人気がありましたね~。



駐車場のそばには、地元の方々が小さなお店を出していました。五平餅やきのこ汁、おやきなどがあって、小腹が空いてもまぁ大丈夫!
こういうところに来るとついつい財布の紐が緩んで、こういう名物を食べたくなってしまいます。

ちょうど小腹が空く頃だったので、キノコ汁を飲んでみました。
これ、僕が想像していたよりもかなり多くのきのこが入っていて、さすが信州!と思いましたね。あまりにも美味しかったのか、娘たちによってあっという間になくなってしまい、またいつものごとく僕の口にはほとんど入りませんでしたとさ。

このたった一本の樹を見るために、遠方からも多くの人が集まります。僕だって、車を3時間半ほど走らせてやって来たんだからw
容姿はもちろんですが、この樹を取り巻く環境や歴史などが多くの人の心を惹きつけるんでしょうね。これからも立派な姿であり続けてほしいです。

長野県北安曇池田町 金勝山長福寺
七色大カエデを見たなら、是非ともセットで寄ってほしいと思ったのが、同じ池田町にある長福寺の大銀杏です。
大カエデから一気に山を駆け下りて、麓の町まで来たらもうすぐです。大カエデから距離にして10km、およそ20分ほどでした。
長福寺は池田町の高台に位置する曹洞宗のお寺で、境内には立派なご本堂があり、また北アルプスのビュースポットとしても知られています。


大銀杏は樹高およそ30m!
ビルに換算するとだいたい7階建てから8階建ての高さに相当するんじゃないでしょうか。
大カエデに比べれば知名度としてはそれほど高くないかもしれませんが、見た目の迫力はぶっちゃけ大カエデ以上ですよ!
横長の写真ではあまりにも高くて収まりきらない(^^;。

高台にあり、またあまりにも大きな樹なので、その容姿は麓の町からもよ~く見えました。
長福寺の詳しい場所を知らなくても、この銀杏の木を目指すように進めばOKかもしれません。

ここは眺めも良かったですね~。安曇野の里と北アルプスを一望できる特等席と言ってもいいんじゃないでしょうか。
あいにく夕方に近い時間で西側の里やアルプスが逆光気味になっちゃいましたが、午前中に訪れるともっと鮮やかで素晴らしい景色に出会えるはずです。


大銀杏を下から見上げれば、目が冴えんばかりのイエローワールド!
この時はまだ沢山の葉をつけていましたが、もう少し経つと今度は落葉が足元を黄色に染めるんだそうです。
そういうシーンもいつかは見てみたいなぁ。

ってなワケで、大峰高原の七色大カエデと長福寺の大銀杏でした!
ともに大変素晴らしい一本樹で、秋色に染まった姿も美しかったです。これらの木々の葉が完全に落ちる頃、信州では長くて厳しい冬が訪れます。春になり色鮮やかな景色が戻るまで、しばらくの間辛抱ですね!

<大峰高原七色大カエデ>
【駐車場】あり(無料)
【入場料とか】無料
【所要時間】1時間
【地図】
【リンク】
池田町観光協会
<金勝山長福寺>
【駐車場】あり(無料)
【入場料とか】無料
【所要時間】20分
【地図】
【リンク】
曹洞宗金勝山長福寺
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