今年の梅雨は、少なくとも北陸の場合は割と雨が少なかったな~という印象を持っています。
おかげでシットリとした梅雨らしい写真を撮る機会には恵まれなかったんですが、これまで一度も行ったことのなかった福井県の花菖蒲の名所に出かけてきたので、(今さらではあるけれど)ご紹介。
訪ねたのは福井市郊外にある「大安禅寺」という立派なお寺です。

境内にある菖蒲田にはおよそ1万株の花菖蒲が咲き乱れるんだとか。
ちょうど見頃を迎えていて、とても見応えがありましたよ!

ってなワケで、今回の記事は大安禅寺の花菖蒲。
なんですが、花菖蒲だけ見て帰るには勿体ないくらい、いろいろと見応えがあるお寺だったので、花菖蒲だけでなくお寺全体にスポットを当てた記事にしました。
福井にお出かけの際、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

福井県には花菖蒲で有名な北潟湖という湖があります。
毎年6月になると、「あわら北潟湖畔花菖蒲まつり」というのが開かれて、湖畔におよそ20万株の花菖蒲が美しさを競い合うように咲き乱れる・・・って言うんだから行かないワケにはいきません!
そこで、金沢から車でおよそ1時間の福井県あわら市にやって来たはいいけれど・・・
なんだか物足りないな・・・。
スカスカじゃないか(T_T)


実は、この「なんだか物足りない」感は、去年も感じていたんです。
去年も花菖蒲を見るために北潟湖畔まで車を走らせたのですが、思っていた以上の人出で車の駐車がとても大変だった割に、肝心の花菖蒲は思っていたよりも見応えがなくて、何だか拍子抜けだったのです。
でも昨年の場合はその後すぐさまゆりの里公園で満開のユリの花を楽しめたのである程度満足して帰ることができたんですが、今年も同じところに行くんじゃまるで芸がないし、せっかく福井まで来たんだから、何か新しい発見をしたい。
そこで、とりあえず福井県で花菖蒲が綺麗な場所をネットで検索してみると。。。
ほほぉ、大安禅寺というところが比較的近くて、しかも花菖蒲が綺麗なんだって!
そんなワケで、いざ福井の名刹、大安禅寺へ!
2016年06月11日 福井県福井市 萬松山(ばんしょうざん)大安禅寺
ひょんなワケでやってきた福井県福井市にある大安禅寺というお寺。
本当は「大安寺」という名前なんでしょうが、禅宗のお寺だからか「禅」という文字がついて大安禅寺・・・かどうかは本当は分かりませんが、多分そうなんでしょうね(^^;。
福井市の郊外。市中心部から九頭竜川を若干下ったところの丘陵地にこのお寺があります。
後から調べてみてビックリしたのですが、越前松平家の菩提寺として建立されたのがおよそ360年前の1658年。境内には文化財としての価値の高い国指定重要文化財の建造物も多くあり、そんじょそこらのお寺よりも歴史を重ねてきた立派なお寺のようです。
(恥ずかしいことに、この日までこういうお寺が福井にあったことを知りませんでした。)
大安禅寺の入口を飾っていたのは、花しょうぶ祭のゲートです。
今年は6月4日~26日の日程で花しょうぶ祭が行われていたそうですよ。
毎年6月になると境内の菖蒲田におよそ1万株のハナショウブが咲き乱れるほか、境内にはアジサイやバラの見所もあり、とくに梅雨の時期は花の名所スポットになるようです。

せっかく名刹に来たんだから、花菖蒲だけでなく境内も回ってみようと思いました。
境内に入ると早速目を引いたのが、ご本堂の前にある美しいカエデの葉。
緑と橙の共演が綺麗で、多くの人が写真を撮っていました。
秋の紅葉の時期もきっと見応えあると思う。



お寺と言えば鐘ですよね~。
境内を少し進むと、「鐘楼」がありました。
この鐘楼は国の重要文化財に指定されています。
大安禅寺の鐘はどんな音が鳴るんだろう。


実はこの日の福井市の最高気温は32.1度で、6月らしからぬ暑さに見舞われていました。
駐車場からここまであまり距離はないんだけど、数分歩いただけで汗がダラダラ・・・とにかく早く建物の中に入って涼まないと、熱中症になってしまう!
というわけで、「庫裡」という建物からご本堂の中へ入っていきます。
ちなみにこの庫裡も国の重要文化財!

庫裡の玄関の正面には大安禅寺の山号である「萬松山」の額。
そして小さな子どもだとちょっと怖がってしまうくらい迫力のある絵も。

似たような絵がいくつか飾られていましたが、後で調べて分かったのですが、この絵は菩提達磨(ボーディ・ダルマ:達磨大師)というインドの仏教僧でして、この人が中国に禅宗をもたらし、今日の日本の宗教に大きな影響を及ぼしたそうです。
よく見かける縁起物としての赤いダルマも、この僧をデフォルメしたものらしいですね。
知らんかった、勉強になりました!

花菖蒲の見頃の時期とあって境内にはそこそこお客さんもいましたが、建物の中はとても静かだったのが印象的でした。
真上から夏の日差しが照り付ける外とは対照的に、建物の中は光が抑えられて若干薄暗く、暑さもさほどではありません。
ぼーっとしていると眠ってしまいそうな雰囲気(笑)。
ですが、眠っているヒマもないので、テンポよくお寺を回っていきましょう!
まずは重要文化財の「本堂」から。

御本尊が祀られている内陣は、天井から吊り下がる黄金色の天蓋が厳かな雰囲気を醸し出しています。
しかし私が知っている他のお寺と比べると、あまり派手さはありません。
落ち着いて手を合わせられそう。

こちらは同じく本堂にある「御成の間」という小部屋。
ここは大安禅寺を開基した福井藩第4代藩主松平光通が座っていた部屋だと言われています。
ここにも達磨絵がありましたが、これはどの角度から見ても自分を見ているように見える「八方睨みの達磨」だそうです。

ちなみに外から見た本堂はこんな感じ。

そして、本堂から奥へ進んでいくと、小さなお堂があります。
重要文化財に指定されている「開基堂」。

金の厨子の中に、福井藩第4代藩主松平光通の坐像が安置されています。
その像は年に一回、4月29日の御像祭の時のみ、公開されて目に触れることができるそうです。
一度見てみたいものですね。

大安禅寺には庭園がいくつかあって、いずれも結構綺麗でした。
縁側からお庭をゆっくり眺めながらお茶したい気分になります。
こちらは「西の庭」というお庭。

「4月から7月にかけて、モリアオガエルの卵がある」みたいなことが書かれた看板があったので、探してみました。
茂みの中をよ~く見ると・・・あ、白い泡があった!!
こういうカエルがいることは知っていたけど、実際卵を見たのは初めてでした。

そしてこちらは「阿吽庭」(あうんてい)というお庭。
手前が枯山水で奥が苔という2つ風情が楽しめます。
この2面性が「阿吽」なんでしょうかね~。



・・・とまぁ、厳かな伽藍や綺麗なお庭を見ていると次第にお腹いっぱいになってくるんですが、そう言えばこのお寺にやってきた一番の目当ては花菖蒲だったよな。
危うく目的を忘れそうでした(笑)。
最後に、いよいよお目当ての菖蒲田へGo!
およそ2000平方メートルの広さに、60種1万株の花菖蒲が咲き揃うそうです。


時期的にまだ少し早いかな~なんて思いながらこのお寺を訪ねたのですが、今年は高温が続いたため花菖蒲の生育が例年以上に早かったそうで、ほぼほぼ見頃だったようです。




暑い、暑い、ホントウに暑い!
娘と一緒に汗だくになって菖蒲田を歩きましたよ(^^;。
小雨降るシットリとした空気の中、滴を纏った花を愛でるのが花菖蒲の本来の楽しみ方なんでしょうが・・・
まるでヒマワリが咲く頃のようなギラギラとした炎天下での花菖蒲鑑賞に、少し違和感を覚えましたね。

大安禅寺には、花菖蒲だけでなくおよそ1000株の紫陽花も咲いているとのことです。
参道に咲く紫陽花が綺麗でした。


ってなワケで、花菖蒲寺とも言われている福井市郊外の大安禅寺でした。
幸か不幸か天気が良くて明るい境内や菖蒲田を楽しめましたが、霧雨に煙るちょっと味のある大安禅寺もいつか楽しんでみたいものです。
福井のお寺と言えば真っ先に永平寺を思い浮かべますが、お花との共演を楽しむならこの大安禅寺のほうが楽しいと思います。
お隣の福井だけど、こんなお寺があったなんて知らなかったな~。

<大安禅寺>
【駐車場】あり(無料)
【入場料とか】500円
【所要時間】1時間(境内の拝観と花菖蒲鑑賞)
【地図】
【リンク】
臨済宗妙心寺派 萬松山大安禅寺
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