23 2019

能登の天領「黒島」の集落と、黒島天領祭の曳山/北前船で栄えた能登半島唯一の重伝建地区

石川県に8つある重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)
北陸であれば、例えば金沢の茶屋街や寺院群、あるいは白川郷・五箇山の合掌造り集落などの有名な古い町並みを面として保存している地区のことで、このブログでもいろんな重伝建をこれまでお伝えしてきましたが、今回の記事もそんな重伝建の紹介です。
今回訪ねたのは、能登半島で唯一の重伝建に指定された町並み、「黒島」です。

北前船の船主や船頭などが住む町として繁栄し、「天領」の名の通りかつては幕府直轄の地として重視されていたところです。
今回はたまたまこの地区のお祭りと被りまして、偶然にも豪華絢爛な曳山を拝むこともできましたよ~。

20190817135718.jpg


今でこそ能登の数ある鄙びた一集落って感じで、観光的にもまだまだ注目を集めるには至っていないのですが、まるで江戸時代の港町にタイムスリップしたかのような感覚が味わえる奥深い集落は、能登でもここだけかもしれません。
古い町並みが好きな方にはオススメのスポットですよ~(^^)

20190817131140.jpg


2019年08月17日 石川県輪島市門前地区 重伝建黒島地区


能登半島をグルっと一周するドライブルート、国道249号線を輪島方面に向かって走っていると、黒い屋根瓦と細長い板を何枚も張り合わせた外壁が特徴的な黒島集落が目に入ります。
能登の海沿いの集落は小さなものが多いけど、黒島集落は中では結構大きいなって印象。
そして、ちょっとだけ観光地っぽい雰囲気を国道からは感じます。
この辺りのR249は今まで何度もを走ったことがある道で、黒島は通るたびに気にはなっていたけどなかなか立ち寄る機会がなかった場所です。
今回が初めての探訪となりました。
20190817142451.jpg


「祭礼中」という看板が目に入りました。どうやら黒島集落ではお祭りが行われていて、集落内は車が乗り入れられないみたいです。
まったく予習なしで訪ねたので何のお祭りをやっているのか分からなかったのですが・・・とにかく行ってみよう。
古い町並みと一緒に祭りの雰囲気も楽しめるなら一石二鳥です!

さて集落の中に入ると、天領北前船資料館が建っていて、何やら人が集まっています。
長い綱の先には祭りに使う曳山か何かか!?
へぇ~、結構規模の大きなお祭りなんだな、一体どんな曳山が見られるんだろう?
資料館から曳山が出てくるところをしばらく見守りました。
20190817130312.jpg


おぉ~、なかなか立派な曳山じゃないですか!
20190817130331.jpg


しばらく曳山を見守っていると、娘たちがいきなり祭りに協力し始めた!(笑)
お~い、祭りの邪魔はするなよ~!
親の私は娘たちが祭りの準備の邪魔にならないかとヒヤヒヤしていましたが、地域の方たちは娘たちが引っ張ってくれたことが結構嬉しかったみたいで、「頑張れ!」なんて温かい声もかけてくれました。
そういえば、かなり前に能登のキリコ祭りを見学した時も、地元の方々は「是非祭りに一緒に参加してください」というスタンスだったのが意外でした。
こういうお祭りって部外者は入れないのかと思ったら、実は真逆で、若い人なら誰でもWelcomeなのかもしれません。
20190817130358.jpg


・・・というワケで、来たこともない集落にたどり着くやいなや、いきなり祭りの主役である曳山が蔵から出てくるシーンに遭遇しちゃいました。
実は今回たまたま出くわしたこのお祭り、「黒島天領祭」という、この地域の伝統的な祭礼なんだそうです。
20190817130517.jpg



さて、黒島について少しだけ説明をしますね。
黒島はかつて北前船によって繁栄した港町集落。北前船によって財を成した船主や船員が住んでいたようです。
1684年には幕府の直轄地(天領)となり、幕府の財源を支える重要な地区でもありました。
一目見ればすぐに分かるのですが、黒い屋根瓦と下見板張りの壁が特徴的で、そのような住居が集落一帯で見られてとても統一感のある景観だなぁと思いました。
この独特の景観を守るため、2009年に重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
重伝建指定前の2007年3月には、能登半島沖の日本海を震源とし、輪島市・七尾市で震度6強を観測した能登半島地震が発生しました。(Wikipedia能登半島地震)
震源地に近かった輪島市門前地区は一部地域で壊滅的なダメージを受け、黒島地区も大きな建物被害が出たそうですが、かつて大きな地震があったことなど全く想像がつかないくらい黒島は綺麗になっています。
もちろん、黒島ならではの景観を随所に残しながら。
20190817131009.jpg

20190817134926.jpg


集落の中は特徴的な家屋が続きます。
重伝建に指定されているだけあって、普段あまり見かけない町並みがすごく新鮮!
しかもいいですね、こういうちょっとディープな小径が!
集落の至るところにこのような細い道があり、町歩きを楽しくさせてくれます。
20190817134122.jpg

20190817132918.jpg

20190817134544.jpg


集落は海と山に挟まれた狭いエリアに発達しています。
すぐ背後に山があるので、結構高低差があるんですよね。
高台から見下ろせるスポットがいくつかあって、黒瓦の集落と日本海のコラボが楽しめました。
20190817134008.jpg


海とともに栄えた集落だけあって、とにかく海に近い。
20190817133902.jpg



かつての廻船問屋住宅の様子が再現されている旧角海(かどみ)家住宅は、黒島観光のメインスポットと言えるでしょうか。
こちらの住宅も2007年の能登半島地震で大きな被害を受けましたが、2011年に無事復元工事が完了し、一般公開されています。
2016年には国の重要文化財に指定されたました。
中に入るのは有料だけど、黒島の代表的な家の造りが分かるし、また北前船で財を成した豪華な暮らしぶりが伺えるのでオススメです。
20190817131116.jpg

20190817131401.jpg

20190817131529.jpg

20190817131907.jpg

20190817132110.jpg


住宅の中からも日本海が見えます。
かつての船主や船員たちも、こうやって海を眺めて航海の無事を祈っていたのかも!?
20190817132443.jpg



曳山の引き回しが始まったようです。
先ほど娘たちが蔵から出した曳山が集落の真ん中までやってきました。
20190817135334.jpg


黒島天領祭で使われる曳山は2台。
どちらもお城が象られていて、一つは名古屋城、そしてもう一つは大阪城がモデルなんだそうです。
そしてこの曳山、なんと総輪島塗・金箔仕上げ!
輪島塗や金箔は、お箸やお椀でさえ高価なのに、この曳山はいったいいくらするんだろう!?
前もって豪華であることを知っていたなら、もっとマジメに撮ったのにw
20190817135705.jpg

20190817141948.jpg


お城だけではありません。
歌舞伎の有名なワンシーンが人形によって表現されているようです。
こちらの曳山は、「恋飛脚大和往来(こいのたよりやまとおうらい)」というのを再現しているそうですが、申し訳ないけど僕には全く分からない(笑)
多分有名なシーンなんだろうな。
20190817140248.jpg


2台の曳山が並ぶとなかなか壮大でしたね!
あと、曳山を引いているのが比較的若い女性が中心だったのが印象的でした。
20190817141742.jpg

20190817141752.jpg



ってなワケで、能登半島でただ一か所重伝建に指定されている古い町並み、天領黒島集落でした。
この日は黒島の町並みを見るのが目的だったんですが、運よく黒島天領祭と重なり、年に一度の活気ある黒島集落を楽しむことができました。
夏の能登にはキリコ祭りをはじめお祭りがたくさんあるのですが、天領祭は恥ずかしいことに今まで全く知らなかったお祭りなので、また一つ能登のことを知る機会になり良かったと思います!
黒島天領祭は毎年8月17日・18日に行われているので、もしこのタイミングで能登に来ることがあれば、是非黒島に立ち寄ってみてください。
20190817140042.jpg



<重伝建 天領黒島>
【駐車場】あり(無料)
【入場料とか】無料(旧角海家住宅は大人320円)
【所要時間】1時間20分

【地図】



【リンク】
黒島地区まちなみ保存会
天領黒島角海家(輪島市公式)
関連記事
スポンサーサイト



石川県 輪島市 重要伝統的建造物群保存地区 海岸風景 祭り

1 Comments

-  

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

2019/11/26 (Tue) 15:39 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment