02 2019

荘川桜 御母衣湖畔に佇む桜の巨木を訪ねて/「奇跡の移植」の物語を秘めた飛騨の名桜 

日本有数の豪雪地帯、そして日本有数のダムとして知られる岐阜県高山市荘川(旧荘川村)の御母衣(みぼろ)湖。
その湖畔に、湖を見下ろすかのように2本の桜の大木が佇んでいます。
2本の桜の木はこの地の名前をとって「荘川桜」と呼ばれて親しまれています。
令和時代の幕が開けてから2日目。
令和初のお出かけ先に選んだのは、ちょうどゴールデンウィーク頃に満開を迎える「荘川桜」です。
見事な青空の下、見事な荘川桜を楽しめました!

照蓮寺桜
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光輪寺桜
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実はこの2本の桜、本来なら御母衣湖の底に沈む予定だったんですが、当時の方々の尽力によって今の場所に移植されたものなんだそうです。
こんな巨木をどうやって!?
と思いますよね?
「奇跡の移植」とも言われた桜の引っ越しのエピソードを思い描きながら眺めるのも、荘川桜ならではの楽しみ方!
ってなワケで、今回の記事は岐阜県飛騨地方の山間部の著名な桜、荘川桜の様子をお伝えします。

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2019年05月02日 岐阜県高山市 御母衣湖畔荘川桜


太平洋側の長良川、日本海側の庄川に沿って岐阜と富山を結ぶ国道156号線。
高山市荘川エリアを走っていると、その車窓に大きなダム湖が広がります。御母衣湖ですね。
世の中の多くのダムと同様、この御母衣湖の湖底にもかつて存在した山間の集落が沈んでいるのですが、春の美しい湖畔の景色を眺めているととてもそんな過去があったなんて思いもよりません。
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でも、このダム湖にかつて村があったことを現代に伝えてくれる桜の巨木があります。
それが、水没する村から移植されて湖畔で今なお元気に花を咲かせている「荘川桜」です。



御母衣湖の湖畔に、突如桜色のセカイが広がる場所があります。ここが荘川桜公園。
桜の見頃になるとかなりの数の車が止まっていて、付近は駐車場待ちの渋滞が起こることもあるんだとか。
この日は荘川桜の見頃と素晴らしい青空が重なって、おそらく2019年の桜シーズンでは一番良い日だったんじゃないかな。
当然、荘川桜に足を運ぶ観光客も多く、とても賑わっていました。
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荘川桜の「前座」ともとれる桜たちですが、その咲きっぷりが見事で、これだけでも満足できちゃいます。
それにしても不思議だよなぁ。
時期は5月に入りゴールデンウィークの真っ只中。
北陸の市街地ではとっくの昔に桜は散っていて、この時期に桜を観たけりゃ北海道まで行かざるを得ないと思うのですが、まさかこんなに近くの山里でこの時期にまだ桜が楽しめる名所があるなんて思いもよらないです。
ここまで桜の時期が遅いということは、それだけこの地の冬が厳しく長いということ。
そんな荘川にも遅い春が訪れたことを、満開の桜が物語っていました。
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そして、主役は2本の荘川桜。大きすぎて写真に収まり切りません(^^;。
この2本の荘川桜は、今はダム湖の底に沈んでしまった照蓮寺・光輪寺の境内に植えられていたものを、1960年、ダム建設の際にこの地に移植したものです。
二本とも推定樹齢は500年と言われているエドヒガンザクラの巨木で、重さは40トン。
「不可能」とも言われていた移植作業を見事成功させたということで、御母衣ダム建設にまつわる物語として語り継がれています。
移植する際は、最低限必要な枝や根以外ほとんどが切られて無残にもほぼ幹だけの姿にされたそうですが、そんな過去があったなんて全く分からないくらいに立派に生長しています。
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500年の時を超えた荘川桜の雄姿をご覧ください。
こちらは照蓮寺桜。岐阜県の天然記念物に指定されています。
だいぶ葉っぱが見えるので散り際かなという印象を受けますが、この桜は最盛期にもこうして葉を広げるそうなんです。
こうして見てみると、若葉の緑もいいものです。
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毎年確実に花を咲かせるソメイヨシノと違って、荘川桜には花が多い「表年」と花が少ない「裏年」があって、年によってはほとんど花が付かないこともあるんだそうです。
表と裏って、まるでタケノコみたいですね。
ここ30年ほどは表年と裏年が1年おきに交互に訪れていて、2018年シーズンが良好(表年)だったため今年は裏年と思われていました。
でも比較的良く咲いているほうじゃないかと。
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荘川桜がこの地に移植されてからやがて60年が経とうとしています。
この桜の一生に比べれば60年なんて「ついこの前のように感じる」のでしょうが、長い年月ずっと御母衣湖を見下ろしてきたワケです。
昔に比べてこの景色はどう変わったんだろう。
もしかしたら、一つも変わってないのかもしれませんね。
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続いて光輪寺桜
照蓮寺桜と同様、岐阜県の天然記念物に指定されています。
看板には今日の日付が記されていましたが、「令和元年五月二日」は新しい令和時代が始まってから2日目の日付です。
これが五月一日だったらかなりレアな写真になっただろうけどw
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この桜は大きさといい形といい花数といい、本当に素晴らしかった!
2本の巨木があるので必ず比べられるでしょうが、僕はこの光輪寺桜のほうが好きかな。
かつての光輪寺の境内から現在地に桜を移すきっかけになったのは、移植の発案者(ダムの管理会社の方)が散策中にたまたまこの光輪寺の桜に目が留まって、なんとか動かしたいと思ったからだと言われています。
これだけ立派に枝を伸ばす桜だから、生かしておきたいと思うのも納得ですよね。
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枝が折れてしまわないように支柱によって支えられています。
こういうのは桜の老木に多いですが、光輪寺桜についてはあまり老木という感じがしなかたです。
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風に靡く荘川桜の花。
ソメイヨシノよりも花の色は淡く、ほとんど白色に近いかな。
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「二世」と記された桜も。
荘川桜の志を後世に語り継ごうと、荘川桜から採れた実で作られた苗木が全国各地に植樹されているようです。
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ってなワケで、岐阜県の山あいの名桜、荘川桜でした。
見頃がGWのど真ん中。
GW中は遠くへ出かけることが多いので、比較的近い荘川桜はなかなか見に行くチャンスがなかったんですが、今年は10連休だったので遠くも近くも回る時間がとれて、満開の荘川桜も楽しむことができました。
荘川桜は今年最後のお花見だったのと同時に、令和初のお花見でもあり、いい思い出になりましたよ。
新しい時代が始まっても、荘川桜は今までと同じようにこの湖畔に佇み、多くの人を感動さえることと思います。
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<荘川桜>
【駐車場】あり(無料)
【入場料とか】無料
【所要時間】45分

【地図】



【リンク】
荘川桜(J-POWER)
(荘川桜の移転を決断した御母衣ダム管理会社です。今も荘川桜の管理を行っています)

荘川桜開花情報
(開花情報はこちらから)
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