31 2019

小松市滝ヶ原のアーチ型石橋群と石切り場ライトアップ/日本遺産「珠玉と歩む物語」、小松の石の文化に触れて

今回の記事はちょっとマニアックです(笑)。
石川県の南部小松市には、日本遺産に登録された石文化の里があります。
「滝ヶ原」(たきがはら)という場所なんですが、2017年の暮れに日本遺産に登録されたことをより広く発信しようと、石切り場のライトアップが実施されました。
このライトアップは2019年2月にも実施され、夕暮れの中にまるで古代遺跡のような石切り場が浮かび上がりました。

最近、石切り場はインスタ映えするスポットとして若い人の間でも俄かに人気が出て来ていて、小松市ではこことは別の石切り場で「石切り場cafe」なるものも行われ、多くの人でにぎわったそうですよ。

さて今回の記事は、そんな日本遺産登録された小松市の石の文化に触れてきたのでご報告!
最大の目当てはもちろん石切り場のライトアップですが・・・
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そんなハレの世界だけでなく、ケの世界も堪能しようと「滝ヶ原アーチ型石橋群」も訪ねました。
小松市はこの一帯を石切り場と石橋を見て回る観光地にしようと頑張っているようですが、まだまだ観光地と呼ぶには程遠い有様ではありました。
でも綺麗に整備すれば十分に将来観光地となり得るポテンシャルは、何となく感じましたよ!
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ってなワケで、日本遺産「『珠玉と歩む物語』小松」の構成資産である石橋群と石切り場をご紹介します。
「ばえ」写真がほとんどなくて恥ずかしいですが(笑)。
でも、石文化のありのままの姿を堪能することができましたよ~。
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2019年02月17日 石川県小松市 滝ヶ原アーチ型石橋群


小松市の山あいにある「滝ヶ原」というところ。
観光名所にもなっている那谷寺や粟津温泉から比較的近いところなのですが、幹線道路から離れた場所にあるので、よほどのことがない限り石川県民、いや、小松市民すらも滅多に近づくことのないエリアかもしれません。
でもこのエリア、最近少しずつですが注目を集めるようになってきてるみたいです。

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(とってもの長閑な山あいの田園地帯です)

というのも、最近チラホラと聞くようになった「日本遺産」ってのがありますよね?あれの一つである「『珠玉と歩む物語』小松」を構成する重要なエリアだから。
世界遺産と違って日本遺産はまだまだ地味なリストではありますが、『珠玉と歩む物語』小松は石がテーマの日本遺産で、構成資産の中には石切り場もあります。
石切り場は、いわゆる「ばえスポット」(インスタ映えする場所)として若者の間では人気なので、滝ヶ原もやがては人気が出てくるのでは・・・、と思っています。

もし日本遺産に興味がある人は、以下のサイトにアクセスしてみてください(^^)
日本遺産『珠玉と歩む物語』小松 ~時の流れの中で磨き上げた石の文化~


さて、この滝ヶ原では冬の時期に石切り場のライトアップが実施されています。
まだあまり多くの人には知られていないライトアップイベントですが、日本遺産の知名度アップもあり、滝ヶ原の石切り場のライトアップも徐々に人気が出てくるのではないかと思っています。
今回はそのライトアップを見に行くのがメインの目的だったのですが、どうせなら昼間の滝ヶ原も訪ねて、石文化の里をある程度理解した上でライトアップを楽しもうではないかと思った次第です。
夜の世界を知る前に、ちゃんと昼の世界も知っておかなきゃね。


滝ヶ原には5つのアーチ型石橋が現存しています。
普通の人ならそう聞くと、「ふーん・・・で??」という感想しか持たないでしょうが、実は現存する石橋自体が九州以外では珍しいもので、小松市の滝ヶ原はただでさえレアな現存石橋が複数至近距離にあることがかなりレアなんだとか。
ちなみに石橋は全国に2000近くあるのですが、そのうちの90%が九州なんだそうです。
我が石川県には8つしか残っていません。
そっかぁ、石橋ってそんなに珍しいものだったのね。

滝ヶ原の公園にある散策マップを見てみると、確かに5つのアーチ橋があるがわかります。
では早速この地図をもとに、石橋を全て回ってみますか!
ちなみに滝ヶ原の5つの石橋は、ともにこの場で採掘された「滝ヶ原石」というのを使っているそうです。
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①丸竹橋
“滝ヶ原町出身者の坂本竹次郎氏の出資により1935年に架設された、現存する石橋の中で一番新しい橋。坂本氏の屋号「丸竹組」から名づけられた”

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最初は「丸竹橋」。
車を小さな駐車スペースに停めたのですが、そのすぐ横にありました。
滝ヶ原の5つの石橋の中では一番キレイに見えましたね~。
一番新しいというからそれもそのはずですが、とは言えすでに80年以上の歴史を積み重ねているわけですので、そんじょそこらの橋に比べれば歴史的なものです。
ちなみに車ではこの橋を渡れないけど、すぐ隣に自動車用の近代的な橋が架かっています。
橋としての役割のほとんどはすでに新しい車道橋のほうへ譲っている感でしたが、石橋のほうもちゃんと欄干があって歩道橋としての役割は果たせているようです。
小さな子供でも安心して渡れますね~。
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さてお次は・・・
「我山橋」ってのがすぐ近くにあるみたいです。
そちらへ行ってみましょう!
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②我山橋
“現存する5つの石橋のうち、唯一コンクリート床板が施工されておらず、架設当時の姿を残す。生活道路として1900年代初頭に架設されたとされる”

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二つ目の我山橋はちょっとヤバい。
見た感じが非常にチープで、パっと見だとどこが橋なのか分からないくらいでした。
草ボーボーだし、あまり手入れされている感じではないな(^^;。
丸竹橋と違って欄干がないから、足を滑らせて下手すると川に落ちてしまします。気をつけないと。
コンクリートが施されていないということですが、渡ってみると意外とシッカリした造りに思えたのは腐っても石橋だからか。
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見た目がちょっとアレでしてね・・・
この橋の写真を一生懸命撮りながら、「俺って一体何を撮っているんだろう・・・」と思ってしまうほど、非フォトジェニックです。
もう少し小奇麗だったらシャッタースポットになり得たかもしれないけど・・・(笑)。
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③大門橋
“生活道路として1900年代初頭に架設されたとされる。滝ヶ原アーチ型石橋の特徴である貫石は、欄干が整備された際に、取り外されたと思われる”

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三つ目の大門橋は、5つのアーチ型石橋の中では最もドッシリとした佇まいでした(ただし5橋で長さも幅も最も大きいのは丸竹橋です)。
完成からすでに100年以上経っていますが、集落の中の現役の路地の橋ということもあり、欄干が整備されて歩きやすいく、あまり古い橋って感じはしませんでした。
完全に住民から棄てられたような佇まいだった我山橋とは対照的でしたね~(笑)。
また「写真映え」という観点でも、5つの橋の中では一番だったかな。
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④西山橋
“切石の運搬のため、1900年代初頭に構築されたとされる。自動車の普及とともに1950年に拡幅された。上流側には、滝ヶ原アーチ型の特徴である貫石が残っている”

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西山橋は、滝ヶ原アーチ型石橋群の中では最も下流に位置します。
モータリゼーションの波が押し寄せ道幅を広げたと看板には書いてあるものの、ん~、広げてこれなのか(^^;
この橋のすぐ近くに石切り場があるので、かつては石切り場から切り出した石を運ぶためのとても重要な橋だったんだろうなとは思いますが、今はその重要路だった面影はほとんど残っていません。
それに雑草により満遍なくコーティングされていて、石橋であることがパっと見で分からないくらいでした。
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⑤東口橋
“現存する他の橋と同じく1900年代初頭に架設されたとされながらも、最も古いと伝えられる。かつては、周辺に集落があり、生活道路として使われていた”

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5つの石橋の中で、一つだけ少し離れたところに位置しているのが東口橋です。
他の橋は徒歩で回れるけど、東口橋だけは車がないとちょっと面倒かなって思います。
東口橋へは杉林の中を進んでいくのですが、道幅は1車線、すれ違いは難しそう。
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途中、切り出した石がおもむろに置かれている場所がありました。
「石を盗むな!」
という看板から、石材業者の苦悩がにじみ出ています。
とても大きくて重い石ですが、それでも盗まれるということは、それだけ価値がある石だということでしょうか。
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東口橋です。
見た瞬間、「え!?」って思いました。
何というか、ひたすら鄙びた橋です。
草や苔が生い茂り、すっかり自然の一部になってしまっているではないか!
それにしても、周りは住居は一切見当たらず、道らしい道もほとんどない。
何でこんなところに石橋があるんだろうと不思議に思うのですが、かつてはこの周りに一応集落があったみたいです。
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西山の石切り場跡
“1814年頃から採掘が開始されたといわれる滝ヶ原で、3番目に始まったとされる。周囲に3つの丁場があった。最盛期を支えた石切り場のひとつ”

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この付近で一番の目玉の写真スポットが、西山の石切り場跡。
少し離れた県道からその姿を遠巻きに眺めることができます。
自然いっぱいの山あいの里に、山をくりぬいた不自然な岩肌。
古代遺跡のようにも見えるし、廃墟にも見えるし、神殿のようにも見える、何とも厳かな雰囲気です。
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西山の石切り場は、入り口の間近まで近づくことができるんですが、これより先は崩落の可能性があることから立ち入り禁止になっています。
かつては石切り場の中に入ることができたというウワサを聞きますが、今はダメ。
う~ん、残念です。
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もしこの中に入れるのであれば、それこそ観光地として賑わうでしょうね~。
整備が待たれます。
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2019年02月23日 石川県小松市 滝ヶ原西山石切り場跡


ここまでは昼間の滝ヶ原の様子でしたが、ようやく本題、石切り場のライトアップです!
上のアーチ橋や石切り場の撮影からは日を改めて、次の週末に天気が良かったので見に行くことにしました。
ちなみに石切り場のライトアップの開催期間は、2019年2月14日から2月28日までの2週間。
点灯時間は17:30から20:30までですが、やはり日没直後のブルーモーメントが一番美しいだろうと思い、点灯の少し前から現地でスタンバりました。
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例年のこの時期なら、山間の里はまだ雪が積もっていたかもしれません。
でもこの冬は記録的少雪で2月はほとんど雪が積もらず、この日も雪はおろか暖かいくらいでした。
雪が積もっていれば雪明りも手伝ってもう少し幻想的な光景になっていたかもしれないなぁ。

さて、いよいよライトアップ始まりました。
徐々に暗くなる中で、ジワリジワリと浮かび上がっていく光に照らされた岩肌。
若干雲が残っていましたが、問題のない晴天で徐々にブルーモーメントの時間が近づいてきます。
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某全国紙のデジタル版に紹介されていたのと同じアングルで。
暗くなるに従って、逆に岩肌の様子が光で浮かんできました。
石切り場入口の手前に石が山積みになっているのですが、これがやや殺風景。
この山積みの石がなければもう少し綺麗だったかもなぁ。
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太陽は完全に沈み、空の色が淡いオレンジから濃い青に変わっていきました。
「ブルーモーメント」と呼ばれ、夜景やライトアップが一番綺麗な時間帯です。
この時間を狙ってきたのでしょう、この時が一番周りに人が多かった(と言っても、僕を含めて10人もいなかったかな)。
石切り場以外にはほとんど光がなく、生活感がまるで感じられない静寂のセカイ。
この場所で石が切り出され始めたのは今からおよそ200年前らしいのですが、その頃にタイムスリップしたような不思議な感覚になりました。
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ってなワケで、小松市の日本遺産、滝ヶ原の石切り場と石橋群、そして石切り場のライトアップでした。
小松市にはこれ以外にもいくつかの石切り場が残っていて、一部は今なお現役で石が切り出されているとのことです。
ちなみにこの滝ヶ原から採石された滝ヶ原石は、小松市内随所の公園や街路、神社などのほか、なんと国会議事堂や品川駅構内のカフェ、甲子園会館などでも使われているそうです。
機会があれば、そういった各地で活躍する滝ヶ原石を見てみたいものです。
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石切り場と言えば、栃木県宇都宮市のココが有名ですね!
大谷資料館地下採掘場跡
気分はまるで地底旅行!宇都宮・大谷資料館地下採掘場跡に潜入


<小松市滝ケ原地区アーチ石橋群>
【駐車場】あり(無料)
【入場料とか】無料
【所要時間】1時間

【地図】



【リンク】
日本遺産ポータルサイト「珠玉と歩む物語 小松」
滝ケ原アーチ石橋群
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石川県 小松市 ライトアップ 日本遺産

6 Comments

まっさ  

>チワワラバーさん

初めまして♪当ブログにお立ち寄り、ありがとうございます!
松任出身なんですね。
であれば、白山の姿は生活に根付いていたんじゃないかと思います。

実は僕もこの石切り場や石橋の存在はごく最近知ったばかりでして、石川県にもまだまだ知らないスポットはあるんだなぁと思いました。
一級の観光地はもちろんですが、そういうちょっとマニアックで知らなかったところも今後はカメラに収め、紹介できたらと思っています(^^)

2019/04/14 (Sun) 18:24 | EDIT | REPLY |   

まっさ  

>なべちゃんさん

こんばんは♪
石切り場自体が珍しい存在ですから、そのライトアップとなるとなおさらレアですよね。
中まで入れればもっと面白い写真が撮れたと思うのですが、残念ながら今は立ち入り禁止。
そのうちちゃんと整備されれば、立派な観光資源になるんじゃないかなと思っています。
新幹線もあと4年で小松までやってくるんだから、頑張ってほしいなぁ(^^)

2019/04/14 (Sun) 18:21 | EDIT | REPLY |   

チワワラバー  

こんにちわー!

初めまして!

地元は白山市(松任です)。
写真がすごくきれいなので(最新の白山のも)ついつい見入ってしまいました。
&自分の知らない石川県の探求心をくすぐられるところもいいですね!
遡って記事を読みまーす!

2019/04/10 (Wed) 16:20 | EDIT | REPLY |   

なべちゃん  

No title

お久しぶりです!(^^)

石切り場のライトアップとは、他ではなかなか見られそうな光景ですね!
見ようによっては遺跡群のようにも見えてなんだかロマンを感じました(^^)

2019/04/07 (Sun) 21:43 | EDIT | REPLY |   

まっさ  

>ぽてとぉ~さん

こんばんは♪
沖縄日記のほうに先にコメントしましたが、本当にびっくりしました!
この春から石川県民になったと聞いて、驚きです。
お仕事の関係でこちらにお越しになったと思うのですが、沖縄から北陸への異動はいろいろ大変でしょうね。

まずはこちらの気候や風土にゆっくりお体を慣らしてくださいね。
今北陸は桜の見頃に入ったところです。
ゆっくりと北陸の春を堪能してください(^^)
また、ぽてとぉ~さんが切り取った北陸三県のシーン、楽しみにしていますね!

2019/04/07 (Sun) 01:14 | EDIT | REPLY |   

ぽてとぉ~  

石切りの見事な迫力に驚いちゃいました

さらにライトアップとは・・・なかなか素晴らしく雄大なセカイに感激しちゃいましたぁ~

わたしも春から晴れて石川県民となりましたので、これからもどうぞよろしくお願いします(*'▽')♪

2019/04/02 (Tue) 21:04 | EDIT | REPLY |   

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