絶海の孤島舳倉島日帰りぶらり旅(後編)/「何もない」がある島!舳倉島の風景と暮らし

 28, 2016 07:00
絶海の孤島、舳倉島の日帰りぶらり旅後編。
前編では、輪島出航から舳倉島上陸、そして最北端の地までをお伝えしました。
後編も引き続き舳倉島をぐるっと反時計回りに歩いて出会った海岸風景や神社、それに島の暮らしを支える施設などをお伝えします。

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日頃の喧騒から離れ、潮騒と風と鳥の音だけが耳に入ってくる、そんな舳倉島。
そこには何にもないけれど、「何もない」という貴重なモノが舳倉島にはありました!
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2016年07月08日 石川県輪島市 舳倉島


前編でお伝えした恵比須神社から、島の北側の海岸に沿ってひたすら何もない遊歩道を歩きます。
左手に見えるのは舳倉島灯台。
標高の低い平べったい島なので、島で最もノッポさんである灯台は、島のどこにいても見ることができます。
方角を見失うこともなさそうです。文字通り、ランドマークですな。
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15分ほど歩いたところに、龍神池という池がありました。
舳倉島には古くから龍神伝説があります。
なんでもこの池に龍の親子が住んでいたとか。その母と娘が、難破船のいかりの毒に当たってこの池で亡くなってしまい、母親の龍は女性の姿に化けて島民の前に現れ、供養を懇願したと言い伝えられています。
池は海に近いのですが淡水であり、決して枯れることがないそうです。不思議ですね~、魔力を感じますね。
池の底は竜宮城につながっているというウワサも。
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龍神池越しに舳倉島灯台を眺めます。
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龍神池の横には、何かを祀っているのであろう「観音堂」があります。
龍神池で亡くなった龍が女性の姿で現れたのがこの観音堂です。
こちらも先ほどの神社と同様、ガッチリと石垣で護られていました。
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池の畔にも小さな祠がありました。
こちらは「無他神社」といいますが、龍神池で亡くなった龍の親子の父親が、今でも付近の海に生息しているといわれており、それを神として祀るために建立されたのだとか。
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島の北側の海岸はゴツゴツとした険しい岩場が続きますが、龍神池付近の海岸線が舳倉島では最も見応えがあります。
黒っぽい溶岩起源の岩場は福井の東尋坊のようでもあります。
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海が透き通っていてとても綺麗なんですよね~。
舳倉島はレジャーの雰囲気がまったくないのですが、透明度の高い海はシュノーケリングするときっと楽しいと思います。
しかしシロートにはちょっと難しい海なのかもしれませんね。
もっと天気が良ければ・・・空が悔やまれます(T_T)。
だいぶ明るい空になっては来たものの、青空にはなりません。青空の下ならもっと美しかったでしょうが、曇り空でもやや緑がかった美しい青に癒されました。
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お、海で働く海女さんを発見!
舳倉島は海女の島としても大変有名で、毎年7月になると多くの海女が島にやってきて、アワビやサザエを採ります。
舳倉島のこれらの海産物はブランド品として高値で取引されているそうですが、地元石川県民ですら滅多に口に入るものではありません。
一度食べてみたいなぁ。
海女さ~ん、一個だけおすそ分けしてよ~(笑)。
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こちらは金比羅神社。島民にとっては航海安全の拠り所になっているそうです。
島の北側のほぼ中央にあるこの金比羅神社と八坂神社は、遊歩道から少し離れたところにあって、藪の中を歩いていく必要があります。
藪には蜂やら蚊がいっぱいなので、服装には気を付けましょうね(^^;。
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島の北側の道をひたすら歩きます。
最初はやや高いガケの上を歩くのですが、ゆっくりと下りていき、やがて島の南西端にたどり着きます。
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こちらが島の南西端。
ゆっくりと見ながら、撮りながら歩いたら、北東端の恵比須神社から南西端まで1時間半もかかっていました(^^;。
その間、ほぼ日陰ナシなので、もう顔や腕が日焼けで大変なことに。。。
当然だけど夏の舳倉島は日焼け対策を万全に!
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島の南西端には、「奥津比咩神社」があります。
舳倉島の総本社で、舳倉島の信仰の中心的役割を担っています。
7つの社の中では最も大きくて立派。
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立派と言っても、こんな感じで掘立小屋みたいなのが建っているだけなんですけどね(^^;。
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グルっと島を1週して、再び港のある集落に戻ってきました。
港から少し高台に上がったところ、島のほぼ中央部には、島の暮らしを支えている(あるいはかつて支えていた)施設がいくつかありました。このあたりが島の中枢なんでしょうね。

こちらは島民の健康を守る「舳倉診療所」
ここでは、新米のお医者さんが半年交代でやってきて、半年間住み込みで島民を診察しているそうです。
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車がない舳倉島ですが、診療所には車(一応、救急車なのかな?)が置いてありました。
診療所では診られない急病人や重症者はヘリコプターで本土に運ぶそうですが、大人をヘリポートへ運ぶには必ず車がいりますからね。この車は島民のいわば命綱なのかもしれません。
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島民の暮らしの安全を守る舳倉島駐在所。
・・・ですが、玄関や窓に板が打ち付けられていて、どう見てもお巡りさんがいる気配がしません。
舳倉島の安全は、島民の手にゆだねられているのかな。
まぁ島で何か悪いことをしようとしても、逃げ場がないので、治安面はあまり心配しなくてもいいんだろうけど(笑)。
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島で最も高い位置に立っているのが、舳倉島灯台へぐら愛らんどタワーという建物です。
灯台には入れないけど、愛らんどタワーは出入り自由だってんで、私も入ってみることにしました!
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愛らんどタワーの中はコンクリートの冷たい壁に囲まれているかと思いきや、意外にも木材をふんだんに使っていて、どことなく明るくて温かみのある作りでした。
螺旋階段を昇った先には・・・
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パネルが展示されていて、舳倉島の自然について詳しく解説されていました。
舳倉島のことを全く知らない人でも、パネルに一通り目を通せば舳倉島のほぼほぼ全てが分かりそうです。
絶海の孤島であまり人の手が加わっていない舳倉島は、動物・植物・昆虫・野鳥などの貴重な生息地になっていますが、とりわけ野鳥については国内に生息する590種のうちの実に6割以上の361種が舳倉島で確認されているそうです。
道理でバードウォッチの聖地として知られるワケだ!
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聞いた話だと、この愛らんどタワーの最上階にバルコニーがあって、そこに立てば360度の大パノラマが楽しめる・・・ハズなんですが、なぜかこの日はバルコニーに出る扉が固く鍵で閉ざされていて、舳倉島自慢の大パノラマを見ることができなかった(T_T)。
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島で最も目立つ建物、舳倉島灯台にも立ち寄ってみました。
標高12メートル、島で一番高い位置に建っていて、灯火の高さは34メートル。
平べったい島で、最高標高の3倍近い高さの建物が島の最も高いところに建ってるんだから、そりゃ目立つってね(^^)。
ちなみに2005年までは有人の灯台でしたが、現在は機器の自動化が進んで無人化され、一般人は灯台に登れなくなってしまいました。上から見下ろす景色はさぞや絶品なんでしょうが、入れないのはもったいない。
もし登ることができたなら、舳倉島観光の目玉になっていたと思います。
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島には学校もあります。
輪島市立上野台中学校と、輪島市立鳳至小学校の、それぞれの舳倉島分校が一つにまとまって建っています。
でも残念ながら現在は島に子供がいないので、学校は閉鎖されています。
この島は他の離島とは何かが違う、何かが足りなくて寂しい、と感じながら歩いていたのですが、どうやらそれは「子供がいない」ことだったのかもしれません。
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時計は止まっていて、ひとけもありません。
でもつい昨日まで生徒がいたような、そんな感じがします。
この学校に明るい笑い声が戻るのはいつになるのでしょうか。
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学校の敷地内にあったコレって、雨量計だよね?
これ、舳倉島アメダスなんじゃないの?
気象庁ホームページのアメダスのページを見ると分かると思いますが、いつの間にか舳倉島の降水量が観測されるようになってたんです。
きっとこの雨量計で観測された数値が、気象台を経てお茶の間に届けられているんでしょうね。
一般人には全く響かないことかもしれませんが、気象好きには大興奮のスポットでした(笑)。
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さて、これにて舳倉島をマルっと一周歩いたことになるんですが、そろそろ船の時間かと思って時計を見ると、実はまだ14時前だったりする(笑)。
10時半に島に着いてから、頑張って3時間ほどかけて島をグルっと回ったんですが、出航時間までまだ1時間半もあります・・・。
一般人が舳倉島で4時間潰すのって、至難の業だなこりゃ。
本屋もない、喫茶店もない、時間を潰す施設がない。
しょうがないからもう一度、島の集落をブラブラして・・・(^^;
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出航30分前に港について、あとは船の中で出発を待つことにしました。
帰りは来た時よりも空が明るくて、海の青さが少し増していた気がします。
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15時に定刻通り本土・輪島に向かって出発!
あぁ、さらば舳倉島。
どんな旅先であっても、そこを立つときには一抹の寂しさを感じるものです。舳倉島も例外ではありません。
いつまでも舳倉島を眺め・・・ずに、すぐに船内に戻ってザコ寝スペースで爆睡し、気が付けば輪島港でしたとさ(笑)。
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ってなワケで、滞在時間4時間ほどの絶海の孤島、舳倉島レポートでした!
前編と後編の2回に分けてお伝えしてきましたが、舳倉島にはまだまだ伝えきれなかった魅力がいっぱい詰まってそう・・・てのはウソでして、ハッキリ言いましょう、これが舳倉島の全てです!(笑)

舳倉島はホントに何もない島だったなぁというのが一番の印象です。
観光地ではないから万人受けするようなところではないし、他の人にオススメするかっていうと、正直、しないかな(笑)。
けれど、日頃の生活では味わえないこの島ならではの「何もない感」をじっくりと味わうことができるし、本土での今の自分の暮らしがいかに恵まれているかを知るいい機会になったと思います。



<舳倉島>
【駐車場】あり(へぐら航路事務所横。船利用者は無料)
【入場料とか】4250円(往復の船代)
【所要時間】4時間(島の滞在時間)

【地図】


【リンク】
へぐら航路株式会社


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Tag:舳倉島 能登半島 石川県 龍神池 海女

COMMENT 4

まっさ  2016, 09. 22 [Thu] 18:23

>みぽははさん

こんにちは。
おっしゃる通り、舳倉島は野鳥の楽園で、その種類は国内屈指だそうですよ。
遠くて行きにくいからこそ、野鳥たちにとっては集まりやすい場所なのかもしれませんね。

舳倉島を知らない人が一人でも多く舳倉島のことをこの記事で知っていただければ、私も嬉しいです!
今度は是非、みぽははさん自身の目で見てみてくださいね!

Edit | Reply | 

まっさ  2016, 09. 22 [Thu] 18:20

>土佐けん

こんにちは。

舳倉島の「何もなさ」、分かっていただけたでしょうか(^^)。
天気がよければもう少し綺麗な風景になっていたと思うんですが、この日は残念ながらうす曇りでした。
今度はもっと空の青い日に・・・って言ってもなかなか簡単に来られないんですよね~。
同じ県内なのに、まるで大阪や名古屋に行くくらいの心理的な距離感があります。
不思議なところだったなぁ。

Edit | Reply | 

みぽはは  2016, 09. 05 [Mon] 11:35

舳倉島には野鳥が多いと聞き
一度は行って見たい気もしたり・・・

「何もない島」は素敵な言葉
行く事はないかも知れない島をこんなに丁寧に
案内して下さるまっささんに感謝
「知らないよりは知ってる方が良い」が信条の私
色々見せてくださってありがとうございます。

Edit | Reply | 

土佐けん  2016, 09. 04 [Sun] 16:46

こんにちは

舳倉島って初めて聞きました。
どこにあるかも知りませんでした。
画を拝見しましたが、本当に何にも無いんですね~~
それが良いのかも知れませんね^^
日本中探しても喫茶店や暇をつぶす場所がない所なんて
殆どないでしょうからね~
絶海の孤島、見せて頂き、ありがとうございます^^

ポチッ全部!

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