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26 2014

甌穴と貝化石の宝庫!犀川・伏見川沿いの「日本の地質百選・大桑層」を見る

まず最初に断わっておきますが・・・
今回は地味です(笑)。
そしてちょっとマニアックです(笑)。



少し前に白山市鳥越地区にある名水百選のひとつ、「弘法池」に行ったのですが、ポッカリと穴の開いた岩から水が湧き出ているのを見て、より本格的な「甌穴」(おうけつ)を見たい衝動に駆られてしまいました。
ってなわけで、今回は金沢市内を流れる犀川と伏見川で見られる「甌穴」にスポットを当ててみました。

伏見川の甌穴は「国の天然記念物」に指定され、学術的価値が高い!
山科の大桑層化石産地と甌穴(国指定天然記念物・金沢市)

犀川は多数の甌穴と貝化石を間近に見ることが出来るのだ!「日本の地質百選」に選ばれています。
犀川中流大桑町の甌穴(ポットホール) 金沢市にて

これらの川には多数の甌穴ばかりか、はるか昔に海の底で生きていた貝の化石が無数に見られ、地質学の分野では世界的に認められている「面白い場所」なのです。
大学の教授がそう言ってたんだから、間違いない!!
犀川中流大桑層の貝化石たち(金沢市にて)

興味がない方は「へぇ、そんなところが金沢にあるのねぇ」くらいの軽ぅ~い気持ちでご覧ください(^^;。
ちなみに犀川は小さな子供でも化石を簡単に掘れる場所でもあります。


2014年06月21日 石川県金沢市 大桑地区の犀川中流域


「大桑(おおくわ)」という地名。
金沢市民なら、「あぁ、あの山環沿いのヤ〇ダ電機とかがあるところね!」とすぐに分かっていただけると思います。
「山環」(やまかん)とは、金沢市の自動車交通を劇的に変化させた「金沢外環状道路山側幹線」のこと。
道沿いにはロードサイド型の大型店が建ち並び、山環沿線は今では金沢有数のショッピングゾーンになりました。

この「大桑」なんですが、金沢市民なら名前は知っていても、じゃあ石川県外の人は知っているかというと、きっと大半の国民が「知らない」と言うでしょう。
ところが、地質学の世界においては、日本のみならず海外でも「大桑」という地名は知れ渡っているんです。
まさかと思うでしょうが、ホントです。

ただ、地質学の世界では読み方が違うんですよね。
「おおくわ」じゃなくて、「おんま」です。
「おんな」じゃないですよ、もう一度言います、「おんま」です(笑)。


なぜ、こんな一地方都市の一地域である「大桑」が世界的に知れているかと言うと・・・
それは、「大桑層」(おんまそう)という地質学的に重要な意味を持つ地層があり、その「標本」(要は、代表)として国際的に認められている綺麗な露頭(地層が目に見えるところ)がここ大桑という街にあるからなんです。
正確には、その地層は大桑町で非常に綺麗に見られることから「大桑層」という名前がつけられた、と言っていいと思います。


前置きが長くなりましたが、今回は犀川沿い大桑(おおくわ)地区ならびに伏見川沿い山科(やましな)地区にある「大桑層」、そして両河川の典型的な侵食地形である「甌穴」(ポットホール)を見ようというのが趣旨です。


グダグダ能書き垂れても面白くないでしょうから、とりあえず写真をば。
大桑地区の犀川の様子です。
「大桑貝殻橋」から眺めた犀川中流

大桑層露頭と犀川の流れ(金沢市大桑町にて)


犀川の清らかな流れはアユの生息にも適しています。
6/16にアユ釣りが解禁されたみたいで、解禁後初の週末となったこの日は太公望の姿も多く見られました。
釣果はいかがっすか?
アユ釣りを楽しむ太公望たち(金沢市犀川中流にて)

アユ釣りを楽しむ太公望たち(金沢市犀川中流にて)



さて、大桑を訪れるきっかけとなった「甌穴」とは何ぞやという話をしておきます。
以前の弘法池の記事でも軽く説明しましたが、もう一回おさらい。

甌穴とは、川や海の岩にポッカリと丸い穴が開いたもので、「ポットホール」とも呼ばれています。
英語のほうが、なんかカッコイイ(笑)。
速いスピードで流れる水と石とが長い年月をかけて岩を削って作り出した地形で、日本の河川では上流~中流でよく見かけるものです。
甌穴のできかたは単純明快!
川底や海底の岩盤が水の流れに長時間さらされることで、表面に亀裂や凹凸ができていきます。
水の流れは岩の凹凸で渦を作るようになるので、その部分だけさらに早く浸食が進んでいき、やがて凹凸は「くぼみ」に変化していきます。
このくぼみの中に石ころが入り込んだ場合、くぼみの中で水の渦に巻かれた石ころが回転し、まるで研磨剤のように岩を削っていき、いつしかくぼみは丸くて深い穴に成長していきます。
その穴が甌穴。


甌穴は一朝一夕で出来上がるものではありません。
気の遠くなるような時を越えて現代の私たちに見せてくれる芸術品なんです。

なんだかロマンを・・・感じませんかね?(笑)


大桑地区は、そんな甌穴が沢山見られる場所。
山環から一本だけ上流にある「大桑貝殻橋」付近が、典型的な甌穴が見られるスポットです。
付近の川床の岩盤は丸みを帯びた感じで、水の流れが岩を滑らかに侵食している様子が見てとれます。
大小様々な「穴」が開いているのが判ると思いますが、それが甌穴です。
「大桑貝殻橋」から眺めた犀川中流


河床に下りてみました。
梅雨時だから本来なら水がもっと多くてもいいんてすが、今年はまとまった雨が少なくて水量も少ない。
川遊びも普通にできちゃうかな。(でも、この辺は川が急に深くなったり、水流が急に早くなったりすので、川遊びは注意ですよ!)
付近は小さな段差がいくつかあって、そこを小さな滝みたいになって水が流れ落ちています。
甌穴が沢山見られる犀川中流(金沢市大桑)

甌穴が沢山見られる犀川中流(金沢市大桑)


この小さな滝の部分は、岩盤が周りよりも柔らかい。
柔らかいから削れやすくて滝になるようです。
で、そのような浸食の多い場所は必然的に甌穴が多く見られます。
岩は見事に穴ぼこだらけです。
犀川で見られる甌穴群(金沢市大桑)

犀川で見られる甌穴群(金沢市大桑)


甌穴を真上からパシャリ。
綺麗な穴がたくさん開いています。
犀川で見られる甌穴群(金沢市大桑)


甌穴の中を覗き込むと・・・
先ほどの説明を裏付けるかのごとく、穴の中には丸い石が見られます。
この石こそが、甌穴を作った張本人。
穴の中でクルクル回転しながら岩を削っていくワケですが、自らも削られて真ん丸な「玉石」になっていきます。
甌穴の中をのぞき込む

甌穴を作り出した玉石(金沢市の犀川にて)



さて、この「大桑貝殻橋」付近の甌穴を観察していると、ちょっと不思議なことに気がつくと思います。
特に、貝殻橋のほんの少し下流側の甌穴の周りには・・・
なんか岩盤に白いものも一緒に見えますよね?
犀川と多数の小さな甌穴(ポットホール)


さらには、その白いモノが一直線に並んだこんな岩も。
これこそが、大桑層の最大の特徴である、貝化石の層です。
犀川で見られる大桑層の化石層


大桑層は、今からおよそ170万~80万年前にできた地層で、ここで見られる貝殻もおよそその時期の海底で生きていた貝のもの。
どんな種類の貝殻が出てくるかを調べることで、当時の付近の気候や海岸の様子などを知ることができるそうです。
100万年の時を超え、地上に顔を出した貝殻たち。
ロマンを感じずにはいられないじゃないですか~!

地層に埋まった貝殻の化石たち(金沢市大桑)

地層に埋まった貝殻の化石たち(金沢市大桑)


川が岩を削った場所に露出している大桑層の貝化石。
水の中にも大量の化石が確認できます。
大桑層の貝化石(金沢市の犀川中流)


化石って、結構苦労して堀り出すイメージがあります。
でもここ大桑ではいともたやすく手にとることができてしまいます。
簡単に化石が採れた!犀川の大桑層露頭にて


ビックリしたのは、誰かが貝化石を掘った後、その辺に置いていったのでしょうか。
とても綺麗な化石が岩の上に置かれていたんです。
それを手に取って・・・。
犀川でみた綺麗な貝殻の化石たち


このように化石がモロに地上に顔を出している場所は決して珍しくはなく、国内各地のほかイタリア・ニュージーランド・アメリカ西海岸などでも見られるそうです。
ただ、人が密集して住んでいる街のすぐそばで簡単に化石が観察できるのは世界的に見ても極めて珍しく、大桑層は世界の学者さんたちを驚かせているらしいです。
そんな貴重な場所ですが、化石の採掘は禁止されてはいません。
ただ、採掘しすぎて地形を変えてしまうようなことのないよう注意しなければなりません。
大胆に掘るのではなく、露出している貝殻を優しく少しずつ掘るようにしましょうね。



石川県金沢市 山科地区の伏見川上流域


さて、大桑層と甌穴の様子がよく見られる場所が他にもあります。
金沢市南部を流れる「伏見川」ですが、その上流部、山科(やましな)という地区です。
ここは昭和16年に「山科の大桑層化石産地と甌穴」という名前で国の天然記念物に指定された、全国的に名の知れた地質学スポットです。

場所は結構分かりにくいのですが、「山環」の「山科一丁目」交差点を山の方へ曲がり、しばらく進んだところです。
「国指定天然記念物山科の大桑層化石産地と甌穴」の案内板


少し山の中に入れば、辺りは竹林、いや、竹藪と言えばいいのかな。
なんだか鬱蒼とした暗いところです。
熊でも出るんじゃないかとビクビクしてしまいました(^^;。
「山科の大桑層化石産地と甌穴」付近の竹藪


ここには「仙人橋」という小さな橋が架かっています。
橋のたもとには「芋掘り藤五郎夫婦像」が立っています。
芋掘り藤五郎夫婦像(金沢市山科の山中にて)

あ、ちなみに芋掘り藤五郎とは、金沢で言い伝えられている伝説の主人公で、この近辺(山科地区)に暮らしていたと言われています。

とにかく貧乏で山芋を掘って暮らしていた藤五郎は、貧乏だからこそのとても優しい性格の人だったそうな。
僕が思うに、貧乏から来る天然バ●ですかね(笑)。

妻の和子というのはとても金持ちで、ものすごい財とともに藤五郎に嫁いだのですが、貧乏だった藤五郎はあろうことかその財を貧しい人に分けてしまい、結局いつまでたっても貧乏のまま。
ある日、妻の実家がその貧しさを見かねて砂金を送ったそうですが、藤五郎はその砂金を持って買い物に行く途中に雁の群れを見つけ、つい獲ろうと思って石の代わりに砂金がたんまり入った袋を雁に投げつけたらしい。
結果は雁は捕まえられず、砂金も紛失。
何とも勿体ないことをしたものです。

当然妻は怒るのですが、「あんな金なら、芋にいっぱいくっついているよ」とボソっと妻に言ったらしい。
藤五郎のその言葉に半信半疑ながらも、妻は一緒についていって芋を掘り、近くの泉で洗い流したところ・・・まぁ採れるわ採れるわ、砂金が山ほど。
貧乏な藤五郎は、それが高価なものとは思ってもいなかったようです。

こうして大量の砂金を手に入れた藤五郎夫婦ですが、その儲けは常に貧しい人のために使い、自分たちの暮らしはやはり貧乏のまま。
でも、二人ともとても幸せだったそうです。



まぁ、こんな感じの伝説なんですが、芋堀り藤五郎が芋を洗って砂金を抽出していた泉は「金洗いの沢」と呼ばれ、現在の兼六園の真横にある「金城霊沢」という湧水のことを指すそうです。
そして、この「金洗いの沢」が現在の「金沢」の地名に繋がっているというのです。


余談にすんげぇ字数を使ってしまいましたが・・・
そんな藤五郎夫婦像の真横の橋から伏見川を見下ろすと・・・
伏見川上流の甌穴の様子(金沢市山科にて)


川岸が大きくえぐれていますよね。
これが天然記念物になった甌穴です。
犀川とは見た目に全然違うのですが、あの小さな穴がだんだん大きくなって・・・とにかく長い年月が経つとこのようになるらしい。
伏見川上流の甌穴の様子(金沢市山科にて)



そして、特筆すべきが「大桑層」の貝化石。
下の写真を見てください。
岩壁に白い筋が見えますよね?
国指定天然記念物山科の大桑層の貝化石層


ズームしてみると、確かに貝殻が無数に見えます。
犀川中流の大桑地区で見られたのと同じ貝殻の化石の層が、クッキリと顔を出していました。
国が認める天然記念物ですから、当然学術的にとても優れた景観です。
でも、甌穴らしさや貝化石の身近さなら、犀川のほうが格段に上だと思いました。
伏見川上流で見られる貝化石(金沢市山科にて)



ってなワケで、はるか昔の地球の様子を今に伝える大桑層、そして自然の芸術作品とも言える甌穴でした。
大学で習うまで存在すら知らなかったこれらのジオグラフィック(地理学的)な場所ですが、きっと多くの金沢市民すら知らないと思います。

このような学術的に非常に優れた場所がすぐそばにあることを、もっと多くの市民の方に知っていただきたいなぁと思い、記事にしてみました。

これらは夏休みの自由研究の宝庫でもあります。
チビっ子諸君、この夏は化石なんぞを発掘してみて、金沢の生い立ちに迫ってみてはいかがかな?
きっと受けはいいと思いますよ(^^)。



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大桑層 化石 金沢市 犀川 伏見川 天然記念物 貝殻 甌穴 ポットホール

- 4 Comments

まっさ  

>あっちゃんさん

こんばんは♪
コメントを見て初めて気がついたんだけど、大桑層でそんなニュースがあったんですね!
その割に、このブログに大桑層に興味をもって見にくる人はほとんどいないみたい(笑)。


Webに掲載されていた写真を見てみましたが、あの辺りは確かに前に歩いていたハズ・・・。
けど、クジラの化石なんて全く気がつかなかったです。
当たり前か、僕みたいなシロートがちょっと歩いただけで気づくようじゃ、もうとっくの昔に掘り起こされてるだろうからね(笑)。

貝の化石なら探さなくてもそのへんに散らばってるんだけど、さすがに巨大クジラの化石が出たってのは驚きだなぁ。
いろんな学者さんが集まっては化石を掘ってる場所なんだけど、まだまだ見つかっていない「ロマン」がギッシリ詰まっているんでしょうね。
大桑層、今年の夏の自由研究のトレンドにならないかな(^w^)。


ちなみに、どれだけ過去の記事にコメントしても大丈夫で~す!
お立ち寄り、感謝♪
情報、ありがとうございます(^^)v

2014/07/17 (Thu) 20:35 | EDIT | REPLY |   

あっちゃん  

大桑層が大騒ぎ

まっささん大変だよ〜
大桑層でクジラの頭骨が見つかったよ!
エライ騒ぎになってた…(^_^;)そうでもないかな?
朝のMROラジオ
『おいね どいね〜』を聞きながら通勤してたらこのニュースの事を話題にしてたから思わず
「まっささ〜ん!大桑層だよ〜!もしかしてまっささんが見つけたの?」なんて言っちゃったりなんかして( ̄▽ ̄)
昨日の新聞に少し詳しく記事が載ってました…
とても大きくて状態の良いものだとか…
まっささんその上に立ってたんじゃない?
惜しい!(^^;;なんてね!

お久しぶりです
元気ですか?
まだ梅雨明けしないみたいですが蒸し暑い日が続いてますね!
こんな前のところにコメントしても大丈夫かな?

まっささんまたね〜
ィェ━━v(o´∀`o)v━━ィッ
お邪魔しました!

2014/07/16 (Wed) 21:43 | EDIT | REPLY |   

まっさ  

>土佐けんさん

こんにちは♪
大桑層は「地質学者の間では」割と有名な名前ですよ(^^)。
でも、地元の地名が地層の名前になっていることなんて、金沢市民も大桑の人も知らないかもしれません。

簡単に化石を探せる場所なんてそうそうないですから、今度息子を連れて「ロマン」を感じたいと思います(^^)。

甌穴がオカリナ!?
確かに(^w^)。

お立ち寄り&応援、感謝♪

2014/06/27 (Fri) 08:29 | EDIT | REPLY |   

土佐けん  

こんばんは

へえ~~石川県にこんな場所があるなんて、全く知りませんでした!
大桑層と書いて、「おんまそう」と読むんですか?
絶対読めませんね~~^^
でも世界的に有名な場所なんですか~
それはもっと大々的に紹介しないといけませんね!
県に言わないと!
甌穴、凄いじゃないですか~~
長い時間が作った作品ですよね^^
見ていると、大きなオカリナに見えてきましたw

ポチッ全部!

2014/06/26 (Thu) 21:42 | EDIT | REPLY |   

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